F-15EXの性能はF-35を超える!航空自衛隊には導入されない理由
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2021年4月7日、アメリカのエグリン空軍基地で、新しい機体の命名式が行われた。

その名は「イーグルII」

50年もの歴史をもつ第4世代戦闘機F-15の発展型となるF-15EXのニックネームである。

価格は主力戦闘機であるF-35Aとほぼ同等の約89億円であるが、F-15EXは兵装搭載量、航続距離、高度、速度のすべてがF-35Aよりも優れている。

F-35Aは第5世代戦闘機であるのに対し、F-35EXは第4.5世代戦闘機という位置づけになる。

アメリカ空軍は2024年から本格的に運用を開始する予定である。

今回は、アメリカ空軍が導入するF-15EXとはどのような機体なのか?旧タイプのF-15との違いや性能について解説していこう。

しまかぜ

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F-15とはどのような戦闘機か?

F-15はアメリカのマクドネル・ダグラス社(現在はボーイング社)によって開発された敵機の撃墜と戦闘空域の制圧を目的とした制空戦闘機である。

第4世代戦闘機であり愛称は「イーグル」と呼ばれている。

それまで最強とされていたF-4にかわり、1976年に実践配備が開始され、40年以上に渡り世界で活躍している戦闘機だ。

初の実戦は湾岸戦争で、以降コソボ紛争、イラク戦争など長年に渡り数多くの任務で活躍した。

特に湾岸戦争では、イラク軍戦闘機約38機を撃墜する活躍を見せた。

F15の特徴としては、大出力エンジンを2発搭載、高性能レーダーの装備や高い拡張性などがあげられる。

その拡張性の高さから、対地上攻撃を目的としたミサイルや爆弾を搭載したF-15E(愛称:ストライク・イーグル)などが派生型として誕生した。

軽量化されたボディにより、敵戦闘機を上回る運動力を持ち、最大速度はマッハ2.5にもおよび、基本設計の優秀さから、近代においても確かな実力を発揮している。

さらに、機体を垂直方向へ上昇させることができるほどのエンジンを搭載しており、従来の戦闘機に比べ、機動力が高くなったことで、緊急事態への対応能力も向上した

初実戦から約40年経っているものの、空中戦において撃墜された記録はなく、世界トップクラスの戦闘機だ。

現在は改良を重ねた乗員1名のF-15C、乗員2名のF-15D、そして、対地用であるF-15Eの3種類のF-15が運用されている。

基本搭載武器はM61A 20mmバルカン砲、AIM-9(サイドワインダー)、AUM-7(スパロー)を搭載している。

日本においては、1981年に「F-15J」として三菱重工を中心に、F-15Cのライセンス生産が行われ、現在、8個の飛行隊とその他全国に約200機が配備されている。

「F-15J」は、約30年に渡り日本を守ってきた機体であり、航空自衛隊では近代化改修を検討中であったが、アメリカの提示した改修価格が予定より高くなりなかなか話が進まず苦戦しているようだ。

また、F-15EXを自衛隊が導入するという話は今のところなく、現在の約200機のF-15を引き続き運用していく予定である。

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 F-15EXの開発の経緯や性能

長年世界で活躍するF-15の最新型戦闘機がF-15EX(愛称:イーグルⅡ)である。

このF-15EXはF-15C/Dの後継機となっており、F-15E(ストライクイーグル)をベースとした、ボーイング社製の最新型の戦闘機である。

2021年2月2日に90分間の初飛行を行い、見事成功を収め、初号機は同年3月10日に米軍へ引き渡されることとなった。

従来のF-15Cは40年以上の長い間活躍した機体だが、老朽化による保守費用が大きな問題となっている。

一回の飛行にかかる費用も高くなってしまい、コスト面、安全性などの面から厄介者として扱われていたのだ。

そこで米軍は、F-15Cに代わる、このF-15EXをボーイング社へと発注、そして導入を決定したのであった。

F-15EXは最新型ではあるが、F-15シリーズの機体であるため、機体の変更による、一からの新たな教育・訓練を必要とせず、パイロットが操作しやすい点も魅力的であると思われる。

また、新たな生産ラインの設置を必要とせず、従来の工場を利用した生産も可能である点も魅力的であり、約80%のスペアパーツを旧型のF-15と共有できることになっている。

現在主流となりつつあるステルス戦闘機を補佐する役目としても期待できるようだ。

F-15EXの性能としては、従来の機体に搭載されていた操縦系統を、フライ・バイ・ワイヤー方式へ変更、レーダーをAESA(アクティブ・フェーズド・アレイ)式へ変更、デジタル電子戦システムなど、最新のコックピットとミッションコンピューターを新たに搭載し、大きな近代化に成功したのであった。

日本では第96試験航空団の第40飛行試験飛行隊、第85試験評価飛行隊が飛行試験や評価を行う予定だ。

2024年には、オレゴン州キングスリーフィールド空軍国家警備隊基地所属の第173戦闘航空団が初の飛行訓練を行う予定である。

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旧型F-15との性能の違い

F-15EXは旧型と比べて外見の大きな変化はない。

しかし、加速性、機動性、耐久性、システム処理能力、最大級の兵装搭載力など能力が大幅に向上した。

オープン・ミッション・アーキテクチャの採用により、円滑かつ容易にシステムの更新が可能となり、ソフトアップデートなどへの対応スピードが向上した。

操作系統は、旧式の電気式CASと油圧機構とを組み合わせたものから、フライ・バイ・ワイヤー方式へ変更、さらに、従来のパルス・ドップラー・レーダーからAPG-82レーダーへ変更したことで、より精密な追尾が可能となった。

従来のF-15は、8発の空対空ミサイルを搭載可能だが、F-15EXは最大で22発搭載できる。

また、機体の寿命は約2万時間、F-15Cの8000時間、F-15Eの1万6000時間を大幅に上回る寿命を有しているため、長期的な活躍が見込めるのだ。

1秒間に870億回の処理能力を有すミッションコンピューターの導入によって、これまで手動で行われていた操作が自動化され、パイロットへの負担が軽減された。

これらの導入により、従来のF-15に比べ、より多様な任務への対応が可能となったのだ。

ステルス戦闘機F-35と比較しても優れている点が数多くある。

F-15EXの最高速度はマッハ2.5、最大高度21,000m、武器搭載可能量13.3トン、移動可能距離1700キロ、それに対しF-35は、マッハ1.6、最大高度15,000m、搭載量9.9トン、移動可能距離1070キロ、さらにハードポイントの数もF-15EXが上回っている。

第5世代戦闘機であるF-35Aよりも兵装搭載量、航続距離、高度、速度で上回るのがF-15EXだ。

コスト面も優れており、運用費がF-35の半分である上に約80%のスペアパーツが旧型のF-15と共有できるのだ。

最新機器システムを有した第5世代戦闘機であるF-35に対し、F-15EXも制空戦闘機能力が高く、敵機の撃墜および威嚇に優れていると言えるだろう。

今後は、ステルス戦闘機であるF-35、F-22の補佐役として活躍すると予想され、F-15EXの任務は、極超音速ミサイルなどの大きな弾薬を運ぶこと、F-22と連携して機能する可能性があり、マガジン的な役割を担う可能性があるのだ。

F-15EX  まとめ

湾岸戦争から半世紀近く活躍し続けているF-15、その確かな実力と功績を引き継ぎ、さらに進化した機体F-15EXとなって近代化を成功させ、あらゆる面が向上した。

アメリカ空軍は今後5年間で76機の調達を計画している。

武器搭載数に関しては、どの機体にも負けない性能があり、F-35、F-22と第5世代ステルス戦闘機が活躍を見せるなかで、ミサイルキャリアなどの補佐的な役割だけでなく、制空戦闘機、対

地攻撃機としても今後大きな戦力となるだろう。

また、コストパフォーマンスの良さから、今後米軍だけでなく、世界各地で主力戦闘機となる可能性は高い。

日本においてもF-15Jの近代化改修が検討され、F-15JSIの開発を進めている。

現在わかっている改修後の性能で類似している点もあるのだが、異なる機器の採用も検討している。

日本の近代化改修に対し、F-15EXがどのような影響を与え、違いがあるのか今後の注目である。

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