クラスター爆弾の仕組みとウクライナが欲しがる理由。日本も保有していた。
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ウクライナの弾薬不足は深刻化の一途をたどる。

ウクライナ軍は、ロシア軍と同様に、驚くべき速さで砲弾を消耗し、西側同盟国による供給が追いつかない。

両陣営は、ほぼ停滞した状態で、砲弾が最も重要な武器となっている。

それこそがクラスター爆弾である。

日本も2008年のオスロ条約加盟まで、自衛隊専用のクラスター爆弾などを大量に保管していた。

今回は「悪魔の兵器」と呼ばれるクラスター爆弾の仕組みと問題点、またウクライナが欲しがる理由について解説していこう。

しまかぜ

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クラスター爆弾の仕組みとアメリカのDPICM砲弾

クラスターとは、”群れ”や”集団”を意味する。

これは、数個から数百個の子爆弾を詰め込んだ爆弾である。

この爆弾が航空機から投下されたり、地上の大砲やロケットから発射されると、爆弾の蓋が空中で開き、子爆弾が散らばる。

主な投入手段としては、「空中投下型」と「地上発射型」がある。

空中投下型は、あらかじめ設定された高度90mから900mで親爆弾の後部が自動的に開き、子爆弾がばら撒かれる。

1発の親爆弾から広がる被爆範囲は、サッカー場3面分に相当する。

地上発射型では、大砲やロケット発射システムから親爆弾が発射され、設定した時間に空中で爆発し、目標上空で子爆弾がばらまかれる。

軍事的には、塹壕や要塞化した地点を拠点にする兵士に対し、クラスター爆弾の使用は高い効果を発揮する。

クラスター弾が一度落下すれば、その周辺から不発弾を徹底的に撤去するまで、その地域を移動することは非常に危険である。

クラスター爆弾が最初に使用されたのは第二次世界大戦だ。

1970年代には、米国がベトナム戦争で大規模に使用した。

その残留不発弾は、今なお人々の命を奪い続ける。

最近では、湾岸戦争、チェチェン、コソボ、アフガニスタン、イラクでの使用が確認されている。

また、イスラエルのクラスター爆弾使用は、一般市民に大きな被害を及ぼし、世界中から注目を集めた。

更に、2008年8月にはロシアとグルジアが互いに対して使用した。現在でも70カ国以上が数十億個の子爆弾を保有し、使用可能な状態を保っている。

1回の作戦で200発以上の親爆弾が投下され、1発の親爆弾から子爆弾が数個から数千個までばら撒かれるため、その被害範囲は広大だ。

子爆弾一つでも人の命を奪い、戦車を破壊するのに十分な力を持っている。

一点を狙わず、広範囲を制圧する兵器であるクラスター爆弾は、その広範囲な影響範囲から、ベトナム戦争以降のほとんどの紛争や戦争で、現在のようなクラスター爆弾が使われてきた。

クラスター爆弾を製造したことのある国は34カ国で、フランス、イギリスなどはかつて製造していたが現在は製造を止めている。

日本も製造国の一つだった。

オスロ条約に署名せずクラスター爆弾の製造を禁止している国はまだまだ多く、アメリカ、中国など17カ国が今もクラスター爆弾の製造を続けている。

そして、使用・製造の経験はなくても、クラスター爆弾を保有・備蓄している国は85カ国にも上る。

(155mmクラスター砲弾)

ウクライナに供給されるクラスター爆弾は、155mmの榴弾砲のDPICM(対人・対装甲クラスター子弾)であると公表されている。

アメリカ軍は1970年代からこのDPICM砲弾を活用してきた。

これは使用後一定の時間が経過した後に自爆する機能を備えた信管を装着したモデルだ。

1983年の米陸軍の調査によれば、敵の戦闘車両部隊に対して発射した場合、クラスター爆弾は単一弾頭の4倍の効果があると結論付けられている。

この効果は、単一の高火力弾頭を装備した弾薬と比較して見られる。

なお、155mm榴弾砲とは、中距離砲撃に適した大口径の火砲で、その射程は一般的に約20kmとされている。

また、DPICMは散弾として機能し、一発の砲弾から数百の子弾を散布する。

それぞれの子弾は個別に目標を破壊する能力を持つため、広範囲に渡る目標に対する攻撃が可能である。

これらの特性により、クラスター爆弾は戦場で重要な役割を果たすことができる。

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民間人が犠牲となる不発率30%のクラスター爆弾

クラスター爆弾とは、広大なエリアをカバーし、その子爆弾を無差別にばらまく兵器だ。

これらの子爆弾は、多数のサッカー場をカバーするほど広範囲に落ちるため、その地域の人々、彼らが軍人であろうと民間人であろうと犠牲となる。

データによれば、犠牲者の98%は民間人となっている。

クラスター爆弾の子爆弾は一握りで持てるほど小さく、形や色が様々なため、特に子供たちの好奇心を引きつけることから爆発して被害をうける子供たちが後をたたない。

子爆弾は柔らかい地面に落ちると、爆発せずに不発弾になる確率が高く5%~30%が不発弾となる。

この30%の不発率は、100発中30発が爆発せずに残ることを意味し、まるで空から地雷が散らされているかのようだ。

戦闘が終わった後も、不発弾が続けて被害をもたらすため、クラスター爆弾は「第二の地雷」とも称されている。

これらの不発弾が地面に残ることで、住民は自分たちの土地を利用することができず、子供たちは遊び場を失う。

その結果、紛争後の生活再建にこれらの不発弾は大きな妨げとなる。

これらの不発弾は微細な振動や温度変化に敏感に反応し、発見された場所で慎重に除去されなければならない。

その処理は非常に危険で、時間を要し、爆発力は防護服を突き破るほど強力だ。

アメリカが供与するクラスター弾の不発率2.35%未満とされているが、弾薬の不発の確率は、使用状況によって大幅に変わることがある。

たとえば、柔らかな泥地など弾が落下する地点の地形や土壌の状況によって、不発の割合は急増することがある。

また、弾が草木に接触した場合でも、同様に不発の確率は増すことがある。

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塹壕のロシア歩兵を狙うクラスター爆弾

ロシアによるウクライナ侵攻が本格化し、両国ともクラスター弾の使用を見せてきた。

ロシアとウクライナのどちらもクラスター弾条約には署名していない。

アメリカも同条約に署名していないが、ロシアの頻繁な使用に対しては過去に批判していた。

ウクライナ軍は、現在、南部と東部において反撃を仕掛け、少しずつ前進しているが、毎日数千の砲弾を放っており、砲弾の供給が困難になっている。

ロシア軍と同じく、ウクライナ軍も高速で砲弾を消費しており、西側の同盟国からの補給が追いついていない。

ウクライナ南部と東部の戦場では、両軍が前進せず、膠着状態が続いている。この状況では、砲弾が最も重要な武器となる。

ロシア軍は前線全長1000キロの各所に塹壕と拠点を設け、堅固に防御している。

ウクライナ軍は、ここからロシア軍を追い出さなければならない大仕事を抱えている。

しかし、砲弾が不足しているため、ウクライナはアメリカにクラスター弾の供給を求めた。

これは、塹壕で防御するロシアの歩兵を狙うためだ。

アメリカ政府にとって、これは容易な決定ではなく、民主党内部や人権活動家から厳しい非難が出ている。

アメリカではウクライナに渡す砲弾の生産が追いついておらず、クラスター弾の供与についての議論は少なくとも半年前から続いている。

ただし、何かしら提供しなければならない。

そこで、アメリカは一時的な措置としてクラスター爆弾の供与を検討している。

これは、アメリカにとっても困難な選択だなのである。

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