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中国は、ここ30年以上、不透明でベールに包まれ継続的に国防にまつわる費用を右肩上がりに増加させる。
核・ミサイル等の技術や海軍・航空戦力を中心に、軍事力の質・量ともに急激に強化している。
また、軍の作戦遂行能力を向上させるため、更には対面する敵の戦力の発揮を効果的かつ迅速に阻害するように一方的に敵戦力などの重要軍事情報を確保するために、情報優越を確実に獲得する作戦遂 行能力や情報傍受能力の強化をも重視している。
具体的には、敵の 通信を混乱・攪乱することを目的とするサイ バー攻撃領域や、敵の探知レーダーなどを無効化・ジャミングして戦力発揮を妨げ、戦力を削ぐことを可能とする電磁波領域における能力・技術力を急速に発展させている。
そして、敵の衛星による情報取得を制限するために宇宙においても軍事能力の強化も継続するなど、ブルーオーシャンにおける優位を確保しようとしている。
近年は海軍力に力をいれており、原子力潜水艦の建造も行っている。
今回は、スパイ活動を行っていた中国潜水艦が探知され、海上自衛隊の護衛艦と哨戒機に追跡された事案、また新型の「093型原子力潜水艦」の性能や日本の領海への侵入を繰り返す理由について解説していこう。
中国潜水艦の動向について動画でも解説してるので見てね!
中国海軍「093式攻撃型原子力潜水艦」の行動について
2021年9月10日、鹿児島県の奄美大島の東の海域で接続水域外を中国軍籍と見られる潜水艦が潜没しながら北西進していることを海上自衛隊が確認した。
本事案について、防衛省は鹿屋基地、厚木基地の対潜哨戒機P-1、および那覇基地のP-3C、第4護衛隊群「護衛艦さざなみ」第2護衛群所属「護衛艦はるさめ」により、追跡を命じた。
その際、潜水艦に付随し同行している中国海軍のルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻も確認した。
潜没潜水艦は、同日午前、奄美大島の東の海域、接続水域内を北西進し、同月12日午前には、鹿児島県の横当島の西南西の海域の接続水域外を西進していることも確認された。
また、この2日前に南シナ海から太平洋に向かう英国海軍クイーン・エリザベス空母打撃群は、ひそかに接近・追従する中国海軍の攻撃原潜を含めた3隻を発見した。
その時、クイーン・エリザベス空母打撃群は南シナ海からフィリピン北のルソン海峡を通って太平洋に抜けるルートを航行中だった。
クイーン・エリザベスを護衛中のフリゲート艦ケントおよびリッチモンドはアクティブソーナーを発することで潜水艦を探知していたとみられる。
中国側の行動については、英国海軍クイーン・エリザベス空母打撃群についてのスパイ活動であると考えられる。
以上の事から防衛省は、当該潜没潜水艦に随行していたミサイル駆逐艦が中国海軍所属の艦艇であったこと、そして これまでの活動から得られた様々な情報を総合的に勘案したうえで、この潜没潜水艦が中国海軍所属の潜水艦だと推定した。
「093式攻撃型原子力」潜水艦のスペック
093型原子力潜水艦は、中国海軍の原子力潜水艦である。
NATOコードネームは商級とスペックはこのようになっている。
長さ:106m 幅:11.5m
排水量: 6,000-7,000t
主機:原子力蒸気タービン(原子炉2基/蒸気タービン2基)
最大速力:30kts
兵装:YJ-18 USM、YJ-82
USM,533㎜魚雷発射管x6
同艦は、091型(漢)の後継で、ロシア海軍のビクターIII型原潜の技術を導入、静粛性の向上を図った潜水艦である。
その後艦体の全長を延ばす事で航行中の騒音を減らした改良型の「093A」型が4~6番艦として2015~2016年に就役、さらに管制室の改良、新型原子炉の搭載され改良した「093B」型が7・8番艦として2017~2018年に就役している。
中でも「093A」型以降は射程540 kmの巡航ミサイルを10発以上搭載、魚雷発射管から発射、空母攻撃能力を持つ。
具体的には、魚雷は533mm魚雷発射管×6門、ミサイルについては垂直発射装置に装てんされ、YJ-82またはYJ-83SSMを発射可能となっている。
その後、中国海軍は同艦の派生型として本型の発展型である094型潜水艦を開発・就役予定である。
海上自衛隊は「たいげい型潜水艦」を就役させた。
同艦はそうりゅう型潜水艦の後継艦であり、対応能力向上や、深海域のみならずソナーによる音響環境が複雑となりやすい沿海・浅海域においても目標を探知し攻撃できる最新の「18式長魚雷」の搭載している。
そして、海上自衛隊の潜水艦として初めて「女性自衛官専用の居住区画」を備えるなど話題になった。
同艦は通常動力型潜水艦のスタンダードである「AIP機関」ではなく「リチウムイオン式電池」による推進方法を採用していることに特徴がある。
これは、093A型の騒音低下に対応したものだと言われる。
中国の潜水艦の行動について
本件で、中国海軍は潜没させた潜水艦を奄美大島の接続水域をさせた。
接続水域とは、海上保安庁の定義に基づくと、領海の基線からその外側24海里(約44km)の線までの海域のことである。
沿岸国が、自国の領土又は領海内における通関、財政、密輸入や密入国等、伝染病等に関する法令の違反の防止及び処罰を行うことが認められた水域を指す。
これは「海洋法に関する国際連合条約」上で定められたものであり、領海は12海里まで設定することができる。
これを受けて、そこに接続するに同じだけ認める形で、24海里までが接続水域となった。
このような条約規定に従い、日本が「領海及び接続水域に関する法律」において規定していることから明らかな通り、自国の接続水域を定めることができる。
ただ、その前提として、沿岸国の領域主権が認められる領海ではない。
そのため、接続水域で認められる権利は大きく性質が異なる。
つまり、接続水域について設定した沿岸国は領域主権を持っているわけではない。
従って、本事案は潜水艦が他国の接続水域を潜没したまま通るものだった。
そして、当該行為は条約上でも認められている違法な行為ではない。
しかしながら、当該行為は中国海軍による意図的なものだとみられる。
潜水艦のスクリューの回転音などには、指紋と同じような固有の音紋がある。
海自や各国の海軍はそれらを保有しているので、どの国のどの潜水艦かを容易に知悉・判別ができる。
そのため、接続水域内をわざわざ潜没航行するのは、自艦が海自によりどの距離で捕捉されるかといった「探知能力を試す」ある種の軍事行動だったとみられる。
093型潜水艦の挑発
今回の事案は中国海軍所属の潜水艦による接続水域への潜航活動である。
これについては、確かに国際法上は問題にならない行為ではあった。
しかしながら、中国による日本への挑発もしくは、こちらのセンサーのデータ取りといった、海上自衛隊の情報を集める軍事活動だったとみられる。
また、日本の対潜能力は非常に高く、今回のような潜没潜水艦への対応能力も長けている。
そのため、中国海軍による活動を未然に察知することができることが明らかになったと言える。
しかしながら、中国海軍は先述の通り軍備増強やテクノロジー開発に力を入れており、技術力向上には目を見張るものがある。
また、諜報活動や防諜活動にも強みがある。
我が国はそのような隣国の状況をキャッチアップしたうえでしっかりとした対策が求められるだろう。
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