F-2の次期戦闘機F-3に「テンペスト」のテクノロジーを採用か?
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防衛省は航空自衛隊のF2戦闘機の後継機となる次期戦闘機の開発についてイギリスの協力を得る調整に入った。

1940年代に戦闘機という概念が世に登場してから、80年近くの年月が過ぎ、その性能や装備、求められる役割自体は大きく変化してきた。

特に近年は攻撃力や俊敏性など、その個体に向けられてきた能力は、AI技術の発達による超高度な情報収集能力や情報処理速度の高速化が進んでいる。

ネットワーク化された環境下で、いかに多くの危機を察知し、未然に防ぎその芽を摘み取り、あわよくばこちら側の攻撃に変えてしまう。

ある意味では超高度な情報戦の様相を呈してきた戦闘機やその大本にある軍事システム。

現在の最新鋭戦闘機として、2030年から2035年に導入予定である第6世代戦闘機の開発の動きや、そこに至るまでの第1~第5世代の戦闘機の歴史や特徴、登場経緯などを振り返ってみたいと思う。

今回は、F2戦闘機の後継機がどのようなコンセプトで開発されているのか、また第1世代から第6世代戦闘機の進歩の過程、そして航空自衛隊の主力であるF-15について解説していこう。

しまかぜ

世界が恐れる戦闘機「第6世代テンペスト」の動画もあるので、最後まで見てね!

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テンペストとはどのような戦闘機か?

システムズ・テンペストという言葉を聞いたことはあるだろうか。

この戦闘機は、戦闘機であって戦闘機ではない、といえるものである。

通常の戦闘機と大きく異なる部分として、この戦闘機は「無人機仕様」や「ドローン」との連携をコンセプトとした戦闘機である点があげられる。

イギリスがリードする第6世代戦闘機「テンペスト」プログラムに、日本が参加し、その技術や機体を「F-3」開発に活かす予定だ。

次期戦闘機はF-2の退役が始まる2035年ころから配備を目指す予定である。

テンペストのお披露目式典では、「イギリスが1世紀に渡って世界をリードし続ける存在になる」と言わしめた。

人工知能による高度な情報収集能力、処理能力、機械学習能力、自律システムを持った無人型戦闘機なのである。

現在、開発段階にあるものの、すでにイギリス空軍だけでなく、イタリア空軍でも導入を予定しているこのテンペストは、2035年には、現行のユーロファイタータイフーンの後継機として就役予定となっている。

このテンペストの大きな特徴として、レーダーシステムとコックピットがあげられる。

テンペストの新レーダーシステムは、現在のシステムの1万倍以上のデータを提供でき、新しいセンサー「多機能無線周波数システム」は、これまでにない大量のデータを収集、処理できる。

もはや、あらゆる情報を超速で処理分析可能である戦闘機といってもよい。

これにより、より遠方での危機や攻撃に対応可能でありつつ、より遠距離への攻撃を可能にする極めて重要な戦闘機、ということもできるのだ。

加えて、このような圧倒的に先手を取った戦術を無人機という、極めて最小限のリスクによって実現する画期的な戦闘機でもあるのだ。

実はこのテンペスト、日本においても注目されている戦闘機である。

日本を訪問していたウォレス英国防相は、岸防衛相との日英防衛相会談で日本が開発する次期戦闘機についてエンジンシステムに重点を置いたサブシステムレベルでの協力について一致したためである。

実現までには、まだ10年余りの時間を要するが、実現すれば戦闘の在り方が大きく変わるという期待もある次世代戦闘機、それがテンペストだ。

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第1世代から第6世代までの戦闘機の特徴

戦闘機は、第1世代から第6世代へと進化してきた。

各世代の戦闘機を簡単に振り返ってみたいと思う。

(アメリカ F-86セイバー)

第1世代戦闘機は、1940年代に登場した黎明期のジェット戦闘機である。

1950年代までの音速を超えていない亜音速ジェット戦闘機がこれに分類されている。

(旧ソ連 Miig-21F)

第2世代戦闘機は、1950年代以降1960年代までの戦闘機を指し、アメリカの「F104~106」や旧ソ連の「MiG-19、21F」、「Su-7~9、11」などであり、超音速かつレーダーを装備している戦闘機、と位置づけられている。

(アメリカ F-100 )

アメリカのF-100 スーパーセイバーは戦闘機として史上初の音速を超える速度に達した機体だ。

また空対空ミサイルを装備したものが多く、現代の戦闘機に近づいている。

(旧ソ連 SU-15)

第3世代戦闘機は、第2世代との差別化が難しいものの、超音速で、マルチロール・レーダー誘導ミサイル搭載能力、夜間戦闘能力を有するもの、とされている。

アメリカの「F-4、5」、「F-111」、旧ソ連の「MiG-23、25」、「Su-15」、フランスの「ミラージュF1」がそれにあたる。

「MiG-25」は現代までの戦闘機で最も早い「マッハ2.83」時速約3500㎞という記録をもつ世界最速の戦闘機である。

(旧ソ連 SU-27,アメリカF-16 )

第4世代戦闘機は、1980年代から運用が開始され、現在でも就航している高度な多用途性能、長距離広域探索レーダー、同時交戦能力などを有するマルチロール機を指している。

多用途性を実現するため、前世代よりはるかに推力重量比の大きな戦術航空機用のアフターバーナーつきターボファンエンジンを装備した軽量期待という特徴がある。

アメリカの「F-14~18」、フランスの「ミラージュ2000」、ロシアの「MiG-29、31」、「Su-27」などである。

(アメリカ  F-22 )

第5世代戦闘機は、2000年代から運用され始まったステルス性を有する戦闘機のことである。

この世代は、「センサー・フュージョン」「ステルス性」「前世代を超える性能」「より進歩した整備・保守性」という定義もある。アメリカの「F-22」と「F-35」、ロシアの「Su-57」などがこれにあたる。

第6世代戦闘機は日本、アメリカ、中国、ロシア、イギリスなどが2030年から2035年の実用化を目指している戦闘機で、第5世代を超えるステルス性、指向性エネルギー兵器の搭載、クラウド・シューティング能力、有人戦闘機随伴型の無人機との協働など広い能力が求められたものである。

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 現在の航空自衛隊の主力戦闘機

現在、日本の航空自衛隊の主力戦闘機は、第4世代のF-15戦闘機である。

このF-15戦闘機は、数十年前の機体ではあるものの、実戦における撃墜がない点から第4世代最強の戦闘機とも言われている。

当時としては最高クラスのAPG-63/70シリーズというレーダーを搭載しており、約148km以上の距離を探索可能。早期警戒管制機(AWACS)と連携することで高度な迎撃能力を発揮するのである。

この装備は基本的なタイプのF-15が装備しているもので、一部の近代化改修タイプでは、さらに追加のレーダー装置などを搭載されて性能が強化されている。

また、そのボディは当時として最先端のものを使用している。

アルミニウムを強固なハニカム構造で使用し、炭素繊維合材などを使用し、高い耐久性を有している。

エンジンは強力な双発エンジンを備え、エンジン自体の出力だけでも垂直上昇できるパワーを有している。

最高速度はマッハ2.3(時速約2800㎞)であり、最新鋭の戦闘機に匹敵する。

しかしながら、F-15戦闘機には、エンジントラブルという弱点があった。

胴体側面にはふたつの空気流入口が設けられ、前方から流入した空気はエンジンの圧縮機へと送り込まれるが、この圧縮機が正常に動作しない空気流の失速・停滞が多発している。

空気流の失速・停滞が発生すると、本来ならば排気口から噴射される燃焼室で作られた摂氏1279度に及ぶ高温のガスが空気流入口方向へ逆流し、燃焼を継続できずエンジンは停止

この温度はエンジンの構造材を溶かすほどであり、遠心力によって常時、負荷が掛かっている「タービン」は、空冷も止まった結果、爆発に近い勢いで飛散したこともあった。

また、弱点とすればその導入価格の高さではないだろうか。

当時は70億円とされていたが、最終的には101億円以上まで上昇した。

とはいえ、その性能や運動性、攻撃力、耐久力から見て、やはり第4世代戦闘機としては最強といえるであろう。

進化する戦闘機

 

最新の戦闘機の事例や、これまでの戦闘機の歴史や流れを振り返ってきたが、近年の科学技術やAI技術の発展から、その矛先は大きな変化を見せている。

かつてのように、音速を超える出力、大量の兵器を搭載した重厚な戦闘機、攻撃力を維持しつつも運動性を高めた軽量な機体、極めて高いステルス性といった戦闘機単体の性能だけに留まらない。

その戦局を大きく左右しうる情報収集力や、情報処理能力、学習能力を持った戦うコンピュータのような姿を見せつつある。

戦闘機だけでなく、軍艦や空母、そもそもの軍事システムが、高度にAI化した場合に、その行く末は、現在、一般企業などが標的になっているサイバーテロのような戦略にシフトしていくのだろうか。

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