ロシアを苦しめる対戦車ミサイル【ジャベリン、NLAW、パンツァーファウスト3】

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

対戦車兵器とは、戦車を攻撃するための火器及び対戦車システム全般のことをいう。

戦車が初めて登場した第一次大戦においては対戦車銃が開発され、第二次世界大戦においては対戦車砲が登場し、現代では対戦車ミサイルが主流となっている。

そして、この対戦車ミサイルは車両や攻撃ヘリコプターのほか攻撃機などあらゆるプラットフォームからの発射が可能となっている。

当初 、戦車は「陸の王者」として君臨していたが、その後、対戦車ミサイルが出現し、多くの戦車が撃破されたことにより一時期は戦車不要論が出てくるまでになった。

しかし新たに複数の装甲を重ね合わせた複合装甲と呼ばれる新しい装甲を施した戦車が出現し、ミサイルでも撃破することが困難になってきている。

このように戦車と対戦車兵器は、お互いに、いたちごっこを繰り返しながら、発展してきている。

今回は、ロシア軍の戦車・装甲車に対して多大な戦果をあげた対戦車ミサイルの威力と性能について解説していこう。

スポンサードリンク

イギリスが提供した次世代軽対戦車ミサイル NLAW

NLAWはスウェーデンとイギリスが共同開発した携帯式対戦車ミサイルである。

重量は 12.5kgで最大射程は約800mであるため、ある程度ターゲットに近づくことが必要である。

弾頭には成形炸薬弾が用いられおり、1発あたり約500万円である。

成形炸薬弾とは目標に命中すると一定方向に高速の金属噴流を発生させ、戦車の装甲を突き破る砲弾である。

成形炸薬弾を用いるメリットとして大砲の徹甲弾のような高初速を必要とせず、命中させれば戦車を撃破しやすいという面である。

NLAWの射撃方法はまず、目標に対し3秒程度の照準・追尾を行い、目標までの距離や角度を計測する。

高い命中率を誇るNLAWの発射方法は、まず目標を発見した射手が数秒間の照準及び追尾を行うことでで目標との距離情報がミサイルに入力される。

発射されたミサイルには慣性航法装置が用いられておりジャイロ及び加速度計により算出されるミサイルの飛翔状況と射撃時に測定した飛翔経路を照合し、誤差を修正しながら飛翔する方式で目標に命中させる。

これにより移動中の戦車であっても、未来予測位置を計算することで発射された弾体と交わる目標の位置を導き出し命中させる。

NLAWは弾頭がランチャーから発射されてから、数メートル飛翔した後にロケットが発火し、目標に向けて推進する。

これはミサイル発射後、敵に自分の位置を特定されにくくするための効果がある。

発射器後部には塩水が充填され、発射時に後方へ噴射される爆炎を緩和することができる。

こうした構造により、建物の内部などの限られた少ないスペースでの発射も可能となっている。

スポンサードリンク

700㎜の貫通力をもつパンツァーファウスト3

パンツァーファウスト3は、ドイツ製の携帯型対戦車兵器で、無反動砲の一種であり、第二次世界大戦中のドイツ軍が使用していたパンツァーファウストがその原型である。

無反動砲とは、発射される砲弾が持つ衝撃と同じ運動量を持たせた物体や爆風を砲の後方に放出させることにより反動を軽減させた火砲である。

射程については固定目標が500m 移動目標が300mと短いため、かなり敵に接近する必要がある。

パンツァーファウスト3は従来の大砲のような反動が無いため、砲架に衝撃を吸収させる装置を必要としない。

これにより小型軽量の発射器で大口径の砲弾を発射することが可能で、軽車輛にも搭載でき高い対戦車能力を付与することができる。

操作方法は簡易化が図られており、訓練が未熟な兵士でも扱えるようになっている。

発射後弾頭は安定翼が展開しロケットモーターに点火され加速しながら目標に向けて飛翔する。

弾頭には成形炸薬弾を使用した対戦車榴弾が使用され、爆発反応装甲を備えた目標に対してはタンデムHET弾と呼ばれる弾を使用する。

これは大型の弾頭の前に小型の弾頭を配置したもので現代の戦車に取り付けられている成型炸薬弾防御のための爆発反応装甲に対抗するためのものである。

これは、まず小型の弾頭を爆発反応装甲で起爆させ、その後にメイン弾頭が突入することによって装甲を貫くという方式である。

スペックでは700㎜の鋼板をつらぬく貫通力があるとされている。

これまでの対戦車ミサイルでは、この爆発反応装甲により対戦車ミサイルの威力が弱まってしまうという問題があったために、このような二段階にわたる攻撃方法が考え出された。

スポンサードリンク

ウクライナの守護神 ジャベリン

ジャベリンは、アメリカがそれまで使用していたM47ドラゴン対戦車ミサイルの後継として開発した歩兵携行式多目的ミサイルである。

このミサイルは、戦車や装甲車だけではなく、建物や、ヘリコプターへの攻撃も可能である。

ジャベリンは完全な「撃ちっ放し」機能を持ち、発射前に目標をロックオンし、発射後は赤外線画像追尾方式により、ミサイル自らが自律誘導能力を持ち、目標に向かって飛んでいく方式となっている。

また発射後にガスが噴出するバックブラストを抑えることができるため、室内などからでも発射可能となっている。

ジャベリンの重量は22㎏あるため、通常は射手と弾薬手の2名で運用を行う。

ミサイルの発射方式は、戦車などの装甲車両に対しては高度150mまで上昇してから装甲が一番薄い上部に対して攻撃するトップアタックモードと、施設やヘリコプターなどミサイルを直撃させるダイレクトアタックモードの2種類を選択できる。

射程距離は初期型では 2,000m で、最新型では 2,500m であるため、遠距離からの攻撃が可能である。

弾頭には、タンデム成形炸薬が用いられており、メイン弾頭の前に、小型のサブ弾頭を配置したものである1発で戦車を行動不能にする威力がある。

ただし、ミサイル1発の価格は2000万円と高価である。

ロシア軍によるウクライナ侵攻では、アメリカから供与されたジャベリンがウクライナ軍により多数使用され、ロシア軍の戦車・装甲車に対して多大な戦果を挙げている。

首都キーウの集合住宅の外壁には穏やかな表情でジャベリンを抱く「聖ジャベリン」と呼ばれるアート作品がウクライナのアーティスト集団によって描かれている。

ウクライナの戦局を変えた兵器

ロシアとウクライナの戦争においてNLAW、パンツァーファースト3、ジャベリンなどの対戦車火器は多くのロシア戦車を撃破している。

このため日本では、戦車よりジャベリンなどの対戦車火器を増やすべきだという意見が出てきている。

しかしこれらの対戦車兵器は、あくまで防衛用として使用される兵器であり、攻撃には不向きであるという点を忘れてはならない。

テレビ報道においては、あたかも百発百中であるかのように説明されているジャベリンも実際には、戦車に肉薄し、最適な射撃位置を確保することは至難の業であり、射撃後は敵からの攻撃に晒される危険性を帯びている。

それに実際の戦闘では10発発射して1台の戦車を破壊できる程度だという話もある。

戦車と対戦車兵器は共にバランスよく配備することが必要なのである。

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!