空母の維持費は1日〇億円!日本にはマネできない驚愕の運用コストと安全保障
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700万ドル(約10億円)という金額、これが何を指すか想像できるだろうか?

それはなんと、アメリカ海軍の空母を1日運用するための費用だ。

空母1隻、駆逐艦3隻、巡洋艦1隻、潜水艦1隻を含む一つの空母打撃群の維持コストだ。

それは年間を通して見れば新たな駆逐艦を2隻購入するのに相当する金額である。

今回はアメリカ空母打撃軍の驚くべき維持費やコストについて解説していこう。

しまかぜ

この内容は動画でも見れるよ!

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アメリカ空母打撃群の驚愕の運用コストとその必要性

アメリカの空母は、任務行動に出るときは「空母打撃群」というグループ単位で動く。

単独での攻撃力を持たない空母は、「浮かぶ飛行場」だと考えられ、イージス艦や潜水艦と艦隊を組むことが必要だ。

原子力空母の場合、その周囲には多数の護衛艦が配置され、特に潜水艦の脅威が高まる海域では、原子力潜水艦が周囲の警戒を担当することもある。

しかし、艦船や航空機のコストはすでに支払われているのに、なぜここまで高額な維持費が発生するのか、という疑問が湧くだろう。

その答えを探るためには、この1日約10億円というコストの内訳を理解することが求められる。

空母打撃群は基本的に次のような組成で運用される

空母打撃軍

空母:1隻
空母航空団:約80機(戦術航空機は約60機)
水上艦艇:6隻(最低3隻はイージス駆逐艦・巡洋艦で対潜ヘリ10機搭載)
攻撃型潜水艦:2隻
高速戦闘支援艦(補給艦):1隻

この一日の価格、約10億円は、空母のみならず、空母打撃群全体、そして、それに所属する空母航空団及びその装備運用に必要な人員の人件費も含んでいるのだ。

海軍の艦隊対応計画には、空母を含む艦船の整備、訓練、配備の全プロセスが含まれている。

このプロセスに従えば、任務を終えて帰還した艦船は、造船所で整備され、その後再び任務に就く。

この全工程を終えるまでには、およそ2年半から3年の時間が必要となる。

艦船の各部分はそれぞれ特有の費用を要し、その総和が最終的なコストを決定する。

空母が任務から戻れば、造船会社や請負業者によって整備が行われる。

海水環境下では、電子機器や繊細なハイテク機器を搭載した巨大な金属の船体は急速に劣化する。水分、湿度、高度、人間による要因等により、物体は常に破損、漏水、破裂、そして劣化する。

だからこそ、船舶を建造時の状態に戻すためには、膨大な作業が必要となるのだ。

民間の造船所が海軍にサービスを提供しているのは古くからの習慣だ。

何世紀にもわたり、海軍のための設備と修理サービスを提供している。

競争の激しいこの業界で生き残るため、これらの企業は入札金額を下げ続け、海軍の契約を取り続ける。

大手企業が値下げ競争を制し、海軍との契約を獲得すると、船は造船所に運ばれ、修理作業が開始される。

だが、この過程には膨大なコストと時間がかかる。

これが空母打撃群の維持費に大きな負担を与えており、この事態に海軍の幹部は長年怒りを露わにしているが、まだ状況は大きくは変わっていない。

空母の修理が完了し造船所を出ると、乗員たちの錬成訓練が始まる。

訓練では、艦艇の能力を高め、任務に適応できるようチームワークを構築することが重視される。

この期間中、船は様々な訓練と点検のために出港を繰り返す。

これは我が国海上自衛隊においても、修理完了後は同じような訓練が実施される。

長期間、出港せずに下がった練度を急速にもとに戻すための再錬成訓練だ。

その際、最も高額なコストを占めるのが燃料費だ。

米軍は年間約200億ドル(約2.8兆円)の燃料費を負担しており、その中で海軍が負担するのはその5分の1程度だ。

空母や潜水艦は原子力で動いているので燃料は必要ないが、駆逐艦や航空機は別だ。

アメリカ海軍は燃料費を抑制する手腕があり、国防総省は18ヶ月ごとに燃料価格を予測し、政府レートを設定している。

海軍はこのレートを1年以上前から固定しているので、燃料を低価格で購入できる。

これにより、海軍は予算をより効率的に計画し、燃料費を一定の金額にすることで費用を削減している。

空母打撃群は非常に大きく、燃料や食料、装備、武器などを大量に搭載する能力がある一方で、艦内のスペースは限られている。

だからこそ、海軍は食料や弾薬、燃料などを世界各地に運ぶために、物流基地と輸送船を組み合わせて費用を抑えている。

最新の原子力空母、フォードの建造費は約1兆9,000億円と、ニミッツ級の2倍だ。

新たな電磁式カタパルトや、爆弾やミサイルを甲板まで運ぶ新型の兵器運搬エレベーターなど、新技術の開発費が予想以上に高くなったためだ。

さらに、一機あたりの価格が100億円を超えるF-35Cの搭載を考えると、空母1隻の価格は2兆円を軽く超える。

米海軍が保有する空母は11隻で、もし1隻でも失われれば、乗組員5000人以上に加えて、莫大な資産を失うことになる。日本の海上自衛隊の令和5年度の予算額である1兆3,527億円では、空母を建造することは到底不可能である。

そして、空母打撃群が海上で維持に多大なコストを要する大きな理由の一つは、航空機への依存だ。

アメリカの空母は約75機の航空機を搭載でき、それぞれのメンテナンス、燃料、弾薬にも高額な費用がかかる。

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空母航空団の維持費 爆弾1発投下までの費用

空母航空団は、空母打撃群の鍵となる戦闘力だ。

戦闘攻撃機、電子戦機、早期警戒機、哨戒ヘリコプター等、多様な航空機が一つの混成航空部隊を構成し、海軍の攻撃力の主力となっている。

例えば、アメリカ海軍の第5空母航空団の編成はこのようになっている。

空母航空団

攻撃戦闘機:F/A18 スーパーホーネット
警戒管制機:E-2C ホークアイ
電子偵察機:EA-6B ブラウラー
対潜水艦ヘリ:SH-60 シーホーク
輸送機:C-2A グレイハウンド

しかしながら、最新鋭の航空機を維持するためには巨額のコストが必要だ。

総経費の中で、空母と艦載機の維持費が占める割合は56%で、随伴艦船の維持費44%を上回る。

空母の甲板への着艦は極めて難易度が高く、小さなミスがパイロットの命を奪う。

したがって、パイロットは月に平均32時間飛行しなければならないと言われている。

さらに、空母打撃群が展開すると、パイロットは着陸技術や夜間の発着艦能力を保つために、最低でも月に40時間近くを飛行に費やさなければならない。

それに伴い、整備の機会も増えるので、燃料費だけでなく整備費も膨らむ。

さらに、航空機が投下する兵器の価格も相当なものだ。

対テロ戦争の初期だけでも、米海軍は約16,000発の爆弾を投下した。

投下爆弾の平均コストは驚くほど高く、F/A-18戦闘機から1発の爆弾を落とすのに、燃料費や飛行費等を考慮すると、平均800万ドル(約11億円)もかかるのだ。

航空自衛隊のF15戦闘機に関しては、1時間の飛行訓練につき約200万円の経費がかかり、その内8割が部品代、残り2割が燃料代となる。

航空機は部品ごとに耐久性が異なり、所定の飛行時間毎に部品AやBの交換が必要とされている。

整備を怠れば、航空機は老朽化し墜落事故を引き起こしかねない。

特に戦闘機は振動が激しく、エンジンを支えるビスが壊れやすいのだ。

これら全てを踏まえると、空母や航空機の運用とは膨大なコストと時間、そして人々の労力が投じられる、巨大なプロジェクトであることが理解できる。

しかし、それは国の安全を守るため、また国際的な平和と安定を維持するためには避けられない。

我々が平和に生活できるのは、日々厳しい訓練を積み重ね、難易度の高い任務を遂行する兵士たち、そして彼らを支える無数のスタッフたちのおかげである。

この規模のコストがかかるという事実は、平和の価値を我々に思い出させ、その保持のためにはどんな犠牲も惜しまないという国の決意を示すものだ。

だからこそ、空母の運用という厳しい任務に立ち向かう全ての人々に感謝の気持ちを忘れてはならない。

次の動画では、世界の5台空母の比較について解説していこう。

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