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ゼレンスキー氏は演説で、ロシア軍が「ウクライナを消し去ろうとしている」と危機感を表明した。
しかし、ウクライナの防空システムがロシアを苦戦させている。
防空システムとは、自国の領空や艦艇に近づき攻撃しようとする敵航空機、ミサイル また大陸間弾道ミサイルを迎撃し、領空やエリアへの脅威を排除するミサイルやレーダーなどを総称したシステムである。
日本の防空システムは洋上のイージス艦の他、全国28ヵ所に設けらたレーダーサイトや早期警戒機E2D、E767、そして全国に展開する ペトリオットミサイル部隊が日本の空を守っている。
この様な防空システムはアメリカと日本ぐらいであろう。
今回は、ウクライナとロシアの防空システムの特徴や世界で最も優れたイスラエルの「アイアンドーム」の防御力について、また我が国日本の防空システムについて解説していこう。
アイアンドームやロシアの防空システムS300の動画も見てね!
ゼレンスキーが「アイアンドーム」の輸出求める
現在、ロシアは蛮行とも言える行為で、ウクライナに侵攻している。
ウクライナの防空システムは、開戦当初にレーダーがロシア軍のミサイルにて破壊され、現在はアメリカやNATOよりの軍事援助による携帯型対空ミサイル「スティンガー」やウクライナ空軍のMiG29が制空権を守っている。
また、近日中には、トルコからロシア製のS300防空ミサイルが軍事援助として供与される予定である。
つまり、ロシアとウクライナは同じ防空システムを運用するということになるのだ。
一方、防御力が高いとされる「アイアンドーム」と呼ばれる防空システムをゼレンスキー氏はイスラエルに求めている。
アイアンドームという防空システムはイスラエルのみに配備される高価な防空システムである。
アイアンドームの特徴は、ミサイルや航空機を迎撃するだけでなく、敵国のロケット弾や榴弾砲の弾を迎撃する事が可能な点である。
イスラエルはパレスチナと領土問題を抱えている。
パレスチナ側からロケット弾が飛んでくると、アイアンドームから発射されたミサイルが敵のロケット弾付近で爆発して迎撃する。
そのため、アイアンドームのミサイルには近接信管が採用されている。
近接信管とは、目標に直撃せずとも一定の距離に近づくと起爆する装置のことである。
日米イージス艦の対空ミサイルSM-2もこの近接信管が採用されている。
アイアンドームは、2007年にイスラエルで導入され、敵のロケット弾などの迎撃率は80%以上を誇る、高い防空能力をみせている。
一つのランチャーに20発のミサイルがセットされており、射程は約10㎞である。
ロシア軍が何百発と撃ちこむロケット弾に対応できるのは、このイスラエルのアイアンドームしかないだろう。
しかし、イスラエル側はウクライナの要求を拒否している。
その理由としては、非常に高額で高度なシステムで構成されていることや、ロシアとウクライナの問題については政治的観点から中立の立場を取らざるを得ない背景といった理由からだ。
もしウクライナに供与されたなら、ロシア軍の空からの攻撃を排除し、被害をかなり低減させることができるかもしれない。
では、相対するロシアの防空システムはどのような特徴があるのだろうか?
ロシアの防空システム S300
ロシアの対空ミサイルS300とは、旧ソ連時代に開発された長距離対空ミサイルである。
西側諸国やNATOからはS-10グランブルの相性で呼ばれている。
イージス艦に搭載されるSM2などスターンダードミサイルに相当するのがS300ミサイルであり、ロシア海軍の艦艇にも搭載されている。
円筒形のキャニスターを大型トラックに搭載して運用するのが地上配備型の形である。
もともとは、ソ連時代にアメリカの大陸間弾道ミサイル迎撃に開発された経緯がある。
ロシアの他に導入している国は中国をはじめイラン、ベラルーシなど共産国が多いことが特徴だ。
しかし、NATO諸国に加盟するトルコがこのS300ミサイルを導入した際は、アメリカから導入を止める様に忠告されたが、トルコは強硬してS300を配備した。
それによりアメリカから経済の一部を制裁されたという経緯がある。
このS300ミサイルはロシア版パトリオット呼ばれていて、様々な派生形が生まれているのも特徴だ。
現在の最新版はS300V型で、発射はコールドローンチである。
これは圧縮空気でキャニスターから打ち出されて後、ミサイルが点火し目標にめがけて飛翔するという発射方法だ。
S300Vの最大射程は400kmとロングレンジである。
構成は、目標を探知、追尾するレーダー車両とキャニスター搭載大型トラックにより移動が可能な点はパトリオットミサイルと同様である。
車両での運搬により何処にでも機動展開できるというメリットがある。
ロシアはこのS300Vミサイルを日本固有の領土である北方領土に集中配備している。
2020年12月には大規模演習を行い、巡航ミサイルなどの目標を全て迎撃したとロシア側は報道している。
今回のウクライナ戦争で、北方領土に配備してあるS300Vミサイル部隊が、ウクライナに向けて移動している事が報じられた。
またイランなども、このS300Vミサイルで発射実験を行い、アメリカを刺激している。
このS300Vミサイルには、さらに発展型のS400ミサイルが開発され、高いステルス性と同時他目標交戦能力が付加され6つの目標に対する攻撃が可能となっている。
射程はアメリカのパトリオットミサイルの2倍を誇るとされている。
では、わが国日本の防空システムは、外からの攻撃に反撃できる能力を持っているのだろうか?
日本の防空システム パトリオットミサイルPAC3
我が国日本、航空自衛隊では、ペトリオットミサイルが防空システムとして運用されている。
北朝鮮の弾道ミサイルが日本に飛んできた場合、まず洋上のイージス艦がSM-3により宇宙空間で迎撃を試みる。
もし失敗した場合、地上付近でパトリオットが迎撃するという2段構えの防空システムを日本はとっている。
パトリオットミサイルを有名にしたのは、湾岸戦争で、イラク軍の短射程弾弾、スカッドミサイルを迎撃した事は有名である。
ちなみにパトリオットとは「愛国者」と言う意味である。
パトリオットミサイルは、アメリカ製の地対空ミサイル「ナイキミサイル」の後継として1990年代より導入が開始された。
航空自衛隊は6個高射群を編成して、北は北海道、南は沖縄までをカバーしている。
高射群とは、地対空ミサイルにより敵航空機・ミサイルを迎撃する航空自衛隊の部隊である。
パトリオットミサイル部隊は主に大都市付近や重要施設付近に配備されることが多い。
「第一高射群」は埼玉県入間基地に所在し、首都圏の防空の任務についている。
正確な命中率は軍事機密のため、明らかにされていないが、迎撃試験では約80%が撃墜に成功したとされている。
パトリオットミサイルはアップグレードを重ねて、現在では、パトリオットミサイルPAC3が、主流であるが、北朝鮮の弾道ミサイルに対処する能力向上型のPAC3MSEが順次配備されている。
最初の配備先は、防衛省市ヶ谷分遣隊である。
パトリオットミサイルの特徴はミサイルとレーダーを全て車両に搭載して、防護エリアに速やかに展開する能力である。
本来は敵の航空機を撃墜する事に主眼が置かれ開発されたが、その性能から、弾道ミサイルの迎撃システムとしても使用される事になったのである。
配備する国は、アメリカ、日本、イスラエル、韓国である。
防空システムでも迎撃不可能なミサイル
現代戦において、防空システムを保有していないということは、簡単に制空権を奪われてしまい、領空内を敵機が飛び交い、爆弾を投下されるという現在のウクライナの様な状態になってしまう。
今回のウクライナ侵攻は、いかに防空システムが重要であるか改めて知る戦争といえる。
また核兵器という大陸間弾道ミサイルの脅威に対応するのも防空システムなくしては語れない。
今回、ロシアが初めて実戦投入したマッハ10の極超音速ミサイルには、今の日本、いや世界の防空システムでは対処不可能であり、アメリカは、レーザー兵器による迎撃構想、研究を行っている。
日本では、防衛省がレールガンの開発に力を入れている。
今、防空システムの転換点とも言えるのではないだろうか?
一日も早く極超音速ミサイルの脅威に対応する防空システムの完成を願うばかりだ。
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