石川県大地震の救援最前線。海自「おおすみ」緊急出動!孤立集落を救え!
Amazonのオーディオブック 
12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。

・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる

公式ページはこちらをクリック

2024年1月1日、一家団欒の時を迎えていたはずの家族たちは、突然の揺れとともに恐怖に包まれた。

石川県能登半島で発生したマグニチュード7.6の地震は、地域に甚大な被害をもたらした。

この緊急事態に、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」は、物資や重機、通信機器を搭載して1月2日に呉港を出港した。

今回は、海上自衛隊が誇る輸送艦「おおすみ」と搭載されているエアクッション艇LCACの驚きの輸送能力について解説していこう。

スポンサードリンク

海からの救援!!自衛隊「おおすみ」型輸送艦の能力

海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」は、平時においては訓練や物流支援の任務に就くが、緊急事態では国の重要な役割を果たす。

重機や災害救助隊、必要な救援物資を迅速かつ大量に輸送できる能力を持ち、災害発生時の日本の救援活動の中核を担う。

石川県輪島市大川浜沖で、輸送艦「おおすみ」から2隻のエアクッション艇「LCAC(エルキャック)」が出発し、波間を切り裂きながら浜辺に上陸した。

約10台の重機を運び、さらには地域の通信状況を改善するため、NTTドコモの基地局車両とスタッフを大川浜へ運んだ。

 

これらの艦船には、単に物資や機材を運ぶだけでなく、医療拠点としても機能する設備が備わっている。

広大なデッキと内部空間を利用して、移動式の医療センターを設置することができる。

これにより、地上の医療施設が機能しなくなった場合でも、緊急医療サービスを提供することが可能となる。

ヘリ甲板を装備しており、医療チームや救助隊を迅速に被災地へ輸送したり艦上での応急処置の後、ヘリコプターを使って病院へ患者を搬送することも可能である。

これにより、地元の医療体制が崩壊している場合でも、迅速な医療支援が提供できる。

地震などの災害で負傷した人々や、通常の医療が受けられない状況にある人々には極めて有効な存在だ。

これは自衛隊の重要な任務の一つである。

能登半島北部では、土砂崩れなどにより道路が途切れており、救援物資や人員の輸送はヘリコプターに頼らざるを得ない状況である。

自衛隊は、海上から陸揚げした重機で道路の復旧を進めると共に、海上輸送の本格化も図っている。

スポンサードリンク

空母と批判された輸送艦おおすみの能力 

1998年3月、海上自衛隊の新しい輸送艦「おおすみ」が就役し、その革新的な外観が話題を呼んだ。

この艦は、艦首から艦尾にかけての平坦な甲板(全通甲板)と、右舷に位置する艦橋構造物のデザインが特徴的で、一部からは「空母」との指摘があった。

このような見解は、空母を「攻撃兵器」と捉える批判的な思考から生じたもので、過剰な能力を持つとの主張がなされた。

しかし、海上自衛隊は「おおすみ」型が純粋な輸送艦であることを強調し続けた。

輸送艦おおすみのスペックテキストが入ります。

基準排水量:8900t
主要寸法:長さ178m、幅25.8m、深さ17m、喫水6m
主機械:ディーゼル2基2軸
馬力:2万6000PS
速力:22kt=40.7km/h
特殊装置:高性能20ミリ機関砲×2
主要兵装:輸送用エアクッション艇×2
乗員:約135人

実際に「おおすみ」には、アメリカ海軍の空母のような艦載機を発着させる「カタパルト」のような設備は備わっていない。

この艦は、全通甲板の後部でヘリコプターの発着を可能とするのみであり、艦内は主に車両を積み込むためのスペースが確保されている。

これは、車両運搬船やカーフェリーに似ているが、重要な違いは艦尾に2隻のLCAC(エルキャック)と呼ばれるホバークラフトを収容できることである。

この特徴により、港湾施設に依存せず物資の運搬が可能となる。

したがって、「おおすみ」は空母ではなく、主に陸上自衛隊の車両を運搬し、陸地に揚げる機能を持つ、文字どおりの輸送艦なのである。

「おおすみ」型輸送艦の主な特徴は、車両を艦内や甲板に積載して運搬する能力にある。

この艦では、可動式スロープを使った車両自走積載方式が採用されている。

艦内の格納庫と全通甲板はエレベーターで繋がっており、車両を艦内から甲板へと簡単に移動させることができる。

収容能力としては、大型トラックならば約50台、90式戦車であれば約10両が積載可能である。

人員に関しては、「おおすみ」の乗員約130名に加え、陸上自衛隊員約300名を艦内の居住区画に収容することができる。

さらに、「おおすみ」型は接岸せずにLCACを用いて車両を陸揚げすることも可能である。

艦尾には半水没型のウェルドックが設けられており、LCACを収容することができる。

積載された車両は艦内を自走してLCACに乗り込み、その後LCACは「おおすみ」の艦尾ドックから発進し、海岸線の砂浜などに乗り上げて車両を降ろすことができる。

これにより効果的な揚陸オペレーションが可能となる。

米テキストロン社製のLCACは最大50トンの運搬能力を有し、90式戦車を一両搭載し、海上を浮上航走して陸揚げすることができる。

また、人員輸送の場合は、専用ユニットを使用して約30名を輸送することが可能である。

この人員輸送ユニットは災害時の支援活動にも活用される。

東日本大震災の際には、孤立地域の住民をユニットに収容し、沖合に停泊していた「おおすみ」型輸送艦へと運び、艦内で入浴などの生活支援を行った実績がある。

現在、海上自衛隊はLCACを合計6隻保有している。

スポンサードリンク

LCACの独特な航行方法 災害救助と軍事作戦での活躍

LCAC(エルキャック)は、エア・クッション型揚陸艇の略称である。

英語の「Landing Craft Air Cushion」の頭文字をとったもので、アメリカ海軍や海上自衛隊で使用されている。

LCACのスペック

基準排水量:85t
主要寸法:長さ28m、幅14.7m
主機械:ガスタービン4基×2軸
馬力:1万6600PS
速力:50kt=92.6km/h
乗員:約5名

50トンを超える戦車すら輸送できるLCACは、インフラが損なわれた緊急事態において、重機の迅速な運搬手段として最適である。

この能力は、令和6年の元日に発生した能登半島地震で発揮された。

この時、海上自衛隊は輸送艦「おおすみ」に搭載されていたLCACを使用し、石川県輪島市大川浜へと重機や救援物資を素早く届けたのだ。

LCACの最大の特徴は、そのホバークラフトとしての設計にある。

船体下部に設置されたゴム製クッションに空気を送り込み膨らませ、さらにこのクッションと水面の間に空気を噴出させることで、艇は水面から浮上し、まるで滑るかのように高速で移動する。

この独特な航行方法により、港が使用できない状況でもビーチから上陸することが可能となる。

LCACの一際目立つ特徴は、水面から浮上することによって得られる浮力だ。

従来の艦船が水中のスクリューで推進力を得るのとは異なり、LCACは船体後部の巨大なファンのようなプロペラを使用して風力で推進する。

また、方向転換はプロペラに備えられたラダーで風の方向を変えることによって行われる。

この独特な推進システムにより、LCACは高速での滑走が可能となる。最大速度は50ノット(約92km)に達し、満載状態でも40ノット(約74km)を維持できる。

さらに、水面を滑るように進むことで、水中の障害物に影響されにくいという大きなメリットがある。

特に災害時には、津波によって船やがれきが海域に漂うことが多い。

これらの障害物は、通常のスクリュープロペラを用いる船にとっては大きな脅威となり得る。

漁網やロープなどの水中の障害物がプロペラに絡まり、航行不能に陥るリスクが高いのだ。

しかし、LCACのように水面を浮かびながら進む船は、これらの障害物を気にせずに進むことが可能となる。

実際に、12年前の東日本大震災においても、LCACはがれきで散乱していた宮城県石巻市への物資輸送任務に大きな貢献をした。

大津波によって壊滅的な被害を受けた地域へ、迅速かつ確実に救援物資を届けることができたのである。

このようにLCACは、災害救助や軍事作戦の現場でその真価を発揮する、画期的な輸送手段なのだ。

また、中国に対する島しょ防衛策として、上陸時に用いられるホバークラフトの重要性は計り知れない。

この高度な装備は軍事的防衛に留まらず、災害救助や物資輸送の際にもその力を発揮する。

現代の安全保障は、単なる軍事的対応を超えて、より広範な役割を求められている。

防衛予算とその必要性に関しては、政治的議論が絶えない。

共産党は「人殺し予算」と主張し、立憲民主党や左翼系のマスコミは「防衛増税」との反対しているが、これらは防衛の本質を見誤ったものではないだろうか?

防衛費は戦争を行うためだけの予算ではなく、国の安全を守り、災害などの危機に瀕した国民を救助し、その命を守るためにも使われる。

自衛隊の人員確保や艦艇、各種装備の充実、強化は、この目的を達成するために必要不可欠な要素だ。

防衛費の増額は、単に軍事力の増強という狭い意味での問題ではなく、国民の安全と安心を確保するための、広義の安全保障政策の一環であると考える。

この活動の背景には、自衛隊員たちの不屈の精神と、国民一人一人への深い思いやりがある。

地震発生直後から始まった彼らの任務は、日本だけでなく、世界中から注目されている。

この勇気ある行動は、私たちに自衛隊の存在の重要性と、困難な状況でも決して諦めない日本人の心を思い出させてくれる。

次の動画では、中国の新型揚陸艦と米海軍との比較について解説しよう。

Amazonのオーディオブック 
12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。

・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる

公式ページはこちらをクリック