究極の軍用車両4選!現代戦における驚異の攻撃力と防御力
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軍用車両は、軍隊が使用する車両のうち、軍事目的で使用される車両の総称をいい、あらゆるタイプが存在する。

軍事車両は、大きく分けて、装甲が施され戦闘に用いられる「装甲戦闘車両」と、装甲をもたず主に輸送などに用いられる「非装甲車両」の2種類に分けられる。

今回は、その中で、現在米軍において使用されている各種車両および、ロシアの対空システムについての解説をしていこう。

しまかぜ

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アメリカ陸軍  M2ブラッドレー歩兵戦闘車

M2ブラッドレーは、アメリカで開発された歩兵戦闘車である。

歩兵戦闘車と装甲車との違いは、装甲車が戦場への兵員輸送を主目的とするのに対し、歩兵戦闘車は、兵員輸送に加えて、歩兵の戦闘の支援もできる能力を持っているという点である。

このため歩兵戦闘車には重武装が施されており、20mm~30mmの機関砲が装備されているものが多い。

ブラッドレーは、1両の価格が約4億円と高額であるため、全ての装甲車を歩兵戦闘車に置き換えることは予算的に難しい。

このため、現在使用されているM113装甲兵員輸送車と併用しながらの運用となっている。

重量は30.4t、3名の乗員と完全武装の歩兵6名(最新型では7名)が搭乗できる。

主武装としては25mm機関砲が1門装備されており、毎分200発を発射でき、有効射程は約2.5kmである。

また戦車にも対応できるようTOW対戦車ミサイルの2連装発射機が2基搭載されており、最大射程は3,750mである。

それ以外の副武装としては7.62mm機関銃1丁を装備している。

最高速度は66km、水上航行も可能で最高7.2kmの速度で航行することが可能だ。

1981年以降、改良を重ねながら40年以上の長きにわたり運用されている車両であり、総数6,724両が生産されている。

また輸送機に搭載して世界各地に迅速に展開することも可能だ。

ブラッドレーは、M1エイブラムス戦車と共に行動可能なことを前提として設計されているため、走行性能は非常に優れている。

湾岸戦争ではM1エイブラムス戦車よりも多くの敵車両を撃破した実績がある。

装甲にはアルミニウム合金が使用されているが、これは成形炸薬弾の攻撃に対して脆弱であることが指摘されたため、のちに爆発反応装甲の装備が可能となった。

湾岸戦争での教訓を得て登場した「M2A3」は射撃管制能力のデジタル化など電子機器がアップグレードされ、赤外線装置、GPS機能の装備も強化された。

アメリカ陸軍では、4両の歩兵戦闘車で機械化歩兵小隊を組み、それをM1戦車に随伴させ、戦闘に臨む体制をとっている。

ウクライナ戦争ではウクライナに供与された「ブラッドレー」は、ロシア軍との戦闘において地雷や砲撃それに攻撃ヘリなどの攻撃により16両が破壊されたが、乗員は生還したケースが多く、実戦における生存性の高さが証明された。

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ロシアのツングースカ自走式対空システム

ツングースカは、旧ソ連が「シルカ」対空自走砲の後継車両として開発した自走対空システムであり、1986年から部隊配備が開始されている。

ツングースカの最大の特徴は、西側各国の自走式対空砲とは違い、高射機関砲と、対空ミサイルを併用している点である。

これによりツングースカは、広い範囲での対空戦闘が可能になっている。

前型のシルカは、23mm機関砲4丁が装備されていたが、砲弾の威力が低く、射程が短いという欠点があり、機関砲の射程外から敵の航空機や攻撃ヘリのミサイル攻撃を受ける可能性が出てきた。

そのためツングースカには、低~中高度の広い範囲での対処が可能な、半自動誘導式対空ミサイルの4連装発射機を2基、合計8発のミサイルが搭載され、2発一組で1目標に向けて発射され、複数の対空目標と同時に交戦することが可能となっている。

ロシア海軍でも運用されるミサイルであり、テレビカメラにより敵機を探知し、その位置情報を無線で送る無線指令誘導を用いており、有効射程は8,000mである。

このミサイルには近接信管が内蔵されており、発射したミサイルが航空機から一定の距離に達すると信管が作動し、自動的に爆発させることが可能である。

操作員は使用兵器の選定と発射ボタンを押すのみで、目標への指向は全て自動で行われるようになっている。

なお、機関砲と対空ミサイルを同時に発射することは不可能で、機関砲は移動中でも発射可能だが、ミサイルの発射時には停止する必要がある。

砲塔は、全周旋回が可能な装甲砲塔であり、前面に目標追尾レーダーが搭載され、追尾距離は13kmである。

車体後部上には捜索レーダーが搭載されており、探知距離は18kmで、走行時には捜索レーダーを後ろ向きに倒すことが可能だ。

武装である30mm連装機関砲と対空ミサイルは、砲塔の側面に装備する。

30mm連装機関砲は、毎分5,000発の砲弾を発射可能で、海上自衛隊が装備するCIWS(シウス)の4500発を超える。

迎撃可能高度は4000mあり、地上にある軽装甲目標に対してもより効果的な攻撃能力を持っており、水平方向の最大有効射程5,000mである。

エンジンはT-72戦車などと同系統のディーゼルエンジンを搭載し、最大速度65kmである。

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地雷にも耐えるアメリカ陸軍JLTV

JLTVは、(Joint Light Tactical Vehicle)の略称で統合軽戦術車両と呼ばれる。

汎用軍用車両ハンヴィーの後継車種を指す名称である。

2018年頃より量産配備が開始されており、総数53,582台が配備される予定である。

イラク戦争終結後 駐留しているアメリカ軍は、アルカイダなどの民兵組織からしばしば攻撃を受け、死者の数は戦闘で失った人員の10倍を超えるという事態となった。

イラク国内でのパトロール活動を行うハンヴィーは、装甲がほとんど無く、小銃の攻撃を受け死傷する乗員が多くでた。

このため、これらの攻撃に耐えられる、新たな車両が必要となってきたのである。

JLTVの重量は6.4t、最高速度は110km、航続距離は480kmで、最大2.3tの積載能力を持っている。

車体は4輪駆動で、独立懸架サスペンションを搭載しており、60cm程度の段差までなら乗り越えることができる。

タイヤは二個パンクしても走行が可能で、未舗装道路1,000 kmを重大な故障なく走行することが可能だ。

また地雷やIEDと呼ばれるにも耐えられるよう装甲が施されている。

IEDとは即席爆発装置と呼ばれており、規格化し製造されていない「あり合せの爆発物」と起爆装置から作られた仕掛け爆弾のことである。

敵弾を浴びて火災が生じた時の備えとして、エンジン部および兵員室には自動消火システムが備えられており、車内にはエンジン、燃料、冷却システム、変速機、電源装置、その他の各種状況をモニターで監視できるシステムを搭載しており、異常を即座に発見することが可能である。

車体上部には乗員を守るための装甲板を備え、電動式で旋回する機能をもつOGPK(装甲銃塔キット)が設置でき、そこから、周囲の状況の監視及び機関銃の射撃が可能となっている。

また、車内から機関銃の射撃や、外部視察ができるようリモコン装置やTVカメラ類を備えている遠隔操作式銃塔も設置可能で、5.56mmM249軽機関銃,

7.62mm汎用機関銃、12.7mmM2重機関銃、MK1940mmグレネードランチャーのほか、さらに状況に応じて、煙幕展開用のスモークディスチャージャーを装備することも可能である。

展開能力については輸送機C-130に収容して空輸可能であり大型ヘリのCH-47やCH-53等で吊り下げての移動も可能である。

上陸作戦の要!水陸両用車ACV

水陸両用車は、上陸作戦において、敵が待ち構えている海岸線に上陸し、敵の攻撃を受けながらも前進し、攻撃のための拠点を確保するという、危険な任務に使用される車両である。

現在、米海兵隊が保有している水陸両用車はAAV7である。

この車両は配備されてから既に50年が経過しており、老朽化が進んでいる。

そのため、AAV7に変わる次世代の水陸両用車が開発された。

それがACV水陸両用戦闘車である。

ACVに搭乗できる兵士の数は13名で、多国籍防衛産業BAEシステムズとイタリアのヴィークル社が共同開発され、足回りは従来の装軌式のキャタピラ駆動ではなく、8輪のタイヤからなる装輪式が採用されている。

装輪式は、舗装路においては100kmを超える速度を出すことができ、機動性に優れているため、上陸後に高速で内陸に移動できる高い機動力を持っている。

ACVの水上での最高速度は約11kmであるが、中国の05式水陸両用歩兵戦闘車の水上での最高時速は40kmといわれており、速度に圧倒的な差がある。

水陸両用車の場合、水上での速度が1km上がるごとに、敵からの攻撃を受ける確率が約5%低下すると言われている。

なぜなら、水上航行のスピードが速ければ早いほど、速やかに海岸に上陸することができ、車両の生存率が向上するからである。

水上航行の速度向上は、今後の課題となってくるであろう。

AAV7の武装は12.7mmM2重機関銃、40mm自動擲弾銃(じどうてきだんじゅう)の2つであり、 この武装では、装甲車両に対しては威力不足であったため ACVでは武装が強化され30mm機関砲が搭載できるようになっている。

ACVは指揮通信型のACV-Cと30mm砲装備仕様のACV-30の2つのタイプに分けられる。

装甲は、AAV7ではアルミ製であったものが超硬スチール製に変更されており、地雷や即席爆破装置から乗員を守るため爆風軽減の座席や爆風体制の車体、追加装備可能なモジュール装甲など、乗員の生存率が向上している。

米海兵隊では様々な派生型の導入も計画中で、基本となる兵員輸送型「ACV-P」、指揮車型「ACV-C」、30mm機関砲塔を搭載した歩兵戦闘車ACV-30なども納入される予定であり、回収車型の「ACV-R」も計画されているほか、偵察型「ARV」などの研究開発も海兵隊から委託されている。

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軍用車両のハイブリッド化計画

現在の軍用車両は、ガソリンと比べて燃費がよく、引火しにくい特性を持つ軽油を燃料としたディーゼルエンジン搭載の車両が主流になっている。

しかし、このディーゼルエンジンに変わるものとして新たに電気を動力とする車両が脚光を浴びている。

2022年2月、アメリカ陸軍は、軍用車両を電動化していく方針を明らかにした。

予定では、2035年までに各軍事施設に小規模発電網を導入し、2040年までに発電設備を整える計画で、陸軍の保有する車両は、2035年までに全非戦闘車両を電気自動車に置き換え、戦闘車両は2035年までにハイブリッド化及び充電設備の拡充を行い、2050年までに全てを電動化することを予定している。

そのため、車両用バッテリーは、性能的に限界に来ている鉛蓄電池の代替としてより高いエネルギーを持つリチウムイオン電池の需要が拡大してきている。

今後、軍事車両は、新たな動力を得て、進化していくことになりそうだ。

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