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10月4日、56機の中国軍用機が台湾の防空識別圏に侵入した。
この数は過去最大で、中国はこれまでにも台湾の領空すれすれまで近づき挑発行為を繰り返してきた。
中国と台湾の関係、それは、台湾を我が国の一部と考えている中国と台湾の対立関係に他ならない。
長い歴史の中で、台湾は東西貿易の中継点として、その支配を望む国家は多く存在していた。
つまりは、台湾は中国にとって経済的に「おいしい」位置にある訳だ。
そのため、中国は台湾を是が非でも「我が国の一部」としたい考えだ。
その発端となったのは、1911年の辛亥革命である。
この内戦に毛沢東が勝利したことで、国土に居場所を失った蒋介石は台湾に逃れ、台湾を統治し、そこに中華民国政府が成立したのが1949年のことである。
この中華民国は、我々こそが正しい中国との主張を持っており、そういった背景が、「台湾は中国の一部」という考えにつながっている。
今回は、台湾空軍に配備されている3種類の戦闘機とその実力について解説していこう。
台湾空軍は中国軍機に抵抗できる力をもっているのだろうか?
台湾空軍の戦闘機で中国に勝てるのでしょうか?動画では3機の特徴を解説しているよ!
台湾空軍 最新戦闘機「 F-16V」
2021年11月、台湾は元から有していたF-16A/B戦闘機よりも大幅に性能が向上したF-16V 戦闘機を、台湾南西部にある嘉義市の空軍基地に配備されたと発表した。
F-16V戦闘機を装備したのは第4戦術戦闘航空団とされており、台湾空軍のF-16Vの数は、一説には2027年までに66機に達すると言われている。
台湾空軍がすでに保有していたF-16A/B、141機も多額の資金を投じて改良するとも言われている。
蔡英文(さい えいぶん)総統は、今回のF-16Vの配備について、「アメリカとの緊密な協力関係の象徴であり、国防力を大幅に強化する高度な技術を備えている」と述べている。
この動きに対して中国政府は、「断固として反対である」としたが、それは、F-16Vの性能を高く評価しているが故の警戒と思われる。
F-16Vの性能であるが、もともと空中戦に特化したF-16系のアップデートとして高い期待がある。
その速さはマッハ2を誇り、スクランブルに適しているほか、レーダーなどのセンサー性能も極めて高い。
世界でも主流とされているレーダーに映らないステルス戦闘機を見つけ出すほどの高性能のレーダー、センサーであるという見方もあり、攻撃に直結する火器管制能力はトップクラスである。
しかし、中国のJ-20やロシアのSu-57、米国のF-22やF-35ステルス戦闘機などの第5世代戦闘機には及ばない。
中国が示した「断固として反対である」という姿勢は、その性能だけでなく、空軍の大幅強化、そこにかける軍備費用の増強など、台湾空軍の動きにそのもの対する、警戒や反発を多分に含んでいる。
F-16Vについて、台湾側は「中国のJ-20にも対抗できる戦力」としており、中国側の一部では、「F-16VがJ-20に匹敵するなら、いったいなぜアメリカは、高価なF-35ステルス戦闘機を配備しているのか」という懐疑的な見方もある。
伝統のデルタ翼「ミラージュ2000」
ミラージュ2000は、フランス空軍の迎撃戦闘機の開発要求に対して、ダッソー社が開発した戦闘機である。
その登場は1978年であり、当時世界に出回り始めていたF-16戦闘機を強く意識したものだった。
高速域で俊敏な動作性を有するミラージュ2000は、先代のミラージュⅢの欠点であった低速時の揚力を得にくい、つまり低速時の飛行に難があるという欠点を解消した。
高速域で俊敏な動作性と着陸時の安定性を成し得た戦闘機であった。
しかし、F-16戦闘機が求められたのと同様に、地上攻撃にも長けた多用途な戦闘機であることを求められるようになる。
その結果、ミラージュ2000-5型が開発され、台湾やカタールに向けて輸出されるに至ったが、フランス空軍も既存のミラージュ2000を改修し、ミラージュ2000-5型を実戦部隊に配備したほどであった。
このミラージュ2000-5型は、レーダーが強化されたほか、複数目標を同時に処理できるようになった。
長距離射程の対空ミサイルの搭載など、より実戦的な仕様となり、対空戦の能力が飛躍的に向上した。
様々な後継が生まれたミラージュ2000だが、核攻撃能力を付加した長距離侵攻機として、ミラージュ2000Nも開発されている。
このミラージュ2000Nは、敵地に低空で侵入し、核弾頭を装備した巡航ミサイルASMPを放つ、という戦略を想定されている。
低空での飛行時に適した期待の強度アップを図り、地形追随機能を持つレーダーを装備、低空飛行を可能にした。
その後、通常兵器の携行も可能なミラージュ2000Nの後期型が生産されたほか、超低空侵攻能力を向上させ、核搭載機能は外した戦闘爆撃機型ミラージュ2000Dも開発されている。
台湾におけるミラージュ2000-5は、台湾空軍が-F 16Vの導入を進めるかたわら、退役となる可能性が出てきている。
ベトナム戦争で活躍した「F-5E/F」
F-5戦闘機は、1950年代にアメリカのノースロップ社が開発した戦闘機である。
運動性能が高く、爆弾などの武装も可能であることから、簡易的な戦闘攻撃用という位置づけが確立した戦闘機であった。
ベトナム戦争の激化、長期化で正規の戦闘機が消耗状態にあったアメリカ空軍は、比較的安価であったF-5戦闘機を改良し、実戦に投入するなどした。
このF-5型戦闘機は、小型で取得や運用が非常に容易であったため、アメリカとの関係の強いアジア、アフリカ、南アメリカなど周辺諸国に大量に輸出された実績がある。
安価な戦闘機のように思われるだろうが、改良された後継であるF-5Eは、速度はマッハ1.6と、速度だけみてもF-16Vのマッハ2に近い性能である。
このF-5Eは、ベトナム戦争で南ベトナム軍に供与されていたF-5A/B 型をノースロップ社が分析し、機動性を向上させたものであった。
また、その改良に伴い、F-5Eでは、エンジンの強化、胴体構造の強化や対空レーダーを搭載するなど、空中戦を意識した戦闘機となっている。
このような改良の結果、機体のサイズや運動性がMiG-21戦闘機に近かったことから、アメリカ空軍がネバダ砂漠で行う大規模演習であるレッドフラッグやアメリカ海軍航空隊の飛行隊であるトップガンなどのアグレッサーに使用されたほどである。
アグレッサーとは、簡単に言えば、仮想敵国として飛行する操縦士のことで、他国を意識した実践訓練に使用されるほどの戦闘機であったことがわかる。
一部の機体では、シャークノーズと呼ばれる空力体制に優れた平型の機首を採用した実績があり、これがF-20戦闘機に活かされた。
F-5F戦闘機とは、F-5Eの複座練習戦闘機型であり、機関砲1門を固定装備している。
台湾空軍 まとめ
台湾空軍の戦闘機の性能や配備、使用国などについて紹介してきた。
いずれの戦闘機も、かつてのような「戦闘機は後ろを取られたら終わり」というような、オールドファッションの考え方ではなく、より現代の航空戦を意識したものであることが、わかるだろう。
それぞれの時期の各国が空中戦にかける考えや思い、戦略や当時のトレンドなどが集約され、各戦闘機が開発されていったのであろう。
戦闘機は、その速度や外観、イメージから戦闘兵器としてのみならず、造形物のような見方をされることもあるが、実際には、戦闘兵器として、表側からだけでは見えない様々な機能を備えている。
中国の脅威がせまる台湾は「待ったなし」の状態である。
AI技術が飛躍的に進化している現代において、今後、台湾の戦闘機にどのよう革新が見られるのか、注目したいところである。
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