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ヴァージニア州南東部、この地に広がるノーフォーク海軍基地は、1740ヘクタールという広大な領域を占めており、世界最大の軍港である。
その広さは、東京ディズニーランドの34倍に匹敵する。
70以上の艦船と100機以上の航空機が駐留しており、アメリカ大西洋艦隊の海空支援を担当している基地である。
ノーフォーク海軍基地には13の桟橋と11の格納庫を備えている。
今回は、世界最大の軍港であるノーフォーク海軍基地の圧倒的な広さと、この港を母港としている艦艇の種類について解説していこう。
世界最大の軍港「ノーフォーク海軍基地」
ノーフォーク海軍基地は、アメリカの首都ワシントンへ続くチェサピーク湾の入口に位置しており、世界最大級の海軍基地として知られている。
ノーフォークは植民地時代から港湾都市としての発展を遂げ、アメリカ独立戦争や南北戦争の戦場となった歴史をもち、アメリカ海軍艦隊司令部の本部および多くの艦艇の母港となっている。
ノーフォーク海軍基地はハンプトン・ローズ半島のスーウェルズ・ポイントと呼ばれる場所に位置し、約6.4 kmの海岸線と18 kmの桟橋と埠頭のスペースを占有している。
世界最大の海軍基地で、13の桟橋に75隻以上の艦船が配備されており、アメリカ海軍の原子力空母11隻中、6隻が母港としていることから、そのスケールの大きさがわかるだろう。
ドワイト・D・アイゼンハワー
エイブラハム・リンカーン
ジョージ・ワシントン
ハリー・S・トルーマン
ジョージ・H・W・ブッシュ
ジェラルド・R・フォード
ちなみに、13番目の桟橋は縁起の悪い数字ということで14番に割り当てられている。
ノーフォーク海軍基地に隣接して運営されているチェンバーズ・フィールドでは、134機の航空機と11の航空機格納庫を有する海軍部隊が最大規模で集結している。
C-2グレイハウンド貨物機やCH-46ヘリコプターなど、多数の海軍航空飛行隊がこの基地を利用している。
6隻原子力空母のほか、原子力潜水艦も多く母港としているが、市民の中から日本のように原子力を恐れる声は、ほとんど聞かれない。
付近の住民は、原子力空母の事故に対する不安を持っていないかと尋ねられると、ある雑貨店の女性は「原子力については詳しくない。しかし、海軍を信頼しているから」と微笑んで答えた。
「原子力災害が起こった場合、大きな被害が発生することは理解している。だが海軍が監督しているから心配はない」と、ノーフォーク市内で運転していたタクシードライバーも笑いとばした。
また、ノーフォークは、大西洋や地中海、中東などに部隊を派遣する基地でもある。
2008年に空母「ジョージ・ワシントン」が日本の横須賀基地に移されるまでは、この地が母港であった。
(当時の佐世保港)
日本では、明治時代後期に横須賀、舞鶴、呉、佐世保の四港が軍港に指定され、各地に鎮守府と海軍工廠が設置され、艦隊や航空隊の母港・所属地となっていた。
。
戦後は大湊を加えた5港が海上自衛隊に継承され、現在も護衛艦の母港として使用されている。
横須賀と佐世保は在日アメリカ海軍の基地としても機能し、第7艦隊の実質的な母港の一つにもなっている。
(横須賀基地)
アメリカが持つ世界一の海軍力の中心部分は、日本の横須賀を母港とする「第7艦隊」だと広く認識されている。
現状では、米海軍は、休止中の第1艦隊を除き、7つのナンバー艦隊を運用している。
第2〜7艦隊はそれぞれ指定された地域を担当し、サイバー戦を指揮する第10艦隊を除いている。
米本土ノーフォークを母港とする第2艦隊は大西洋を、バーレーンを基地とする第5艦隊は中東を担当している。
しかし、各艦隊の戦力には相当な差異が存在し、南米エリアを担当する第4艦隊のように、艦船がほとんど配備されていない艦隊も存在する。
各任務に応じて編成が変わるものの、FA-18戦闘機を60機近く搭載した空母とその護衛の巡洋艦や駆逐艦からなるこの打撃群は、中小国と戦っても勝てる力を持つ
と言っても過言ではない。
特に、第7艦隊はインド洋から西太平洋という地球の半分に相当する広大なエリアを担当しているため、割り当てられている戦力は、平時から50隻以上の艦船、
150機以上の航空機、兵士約2.7万人という、中小国の軍隊に匹敵する規模だ。
その規模と能力は、アメリカの海洋戦略に不可欠な存在となっており、これからもその重要性は増すことだろう。
第二次世界大戦で日本に勝利したアメリカは、整備済みのドックや修理工場などを持つ横須賀及び佐世保を利用することで、米本土から離れた地でもメンテナンス
や修理、補給が可能な拠点を確保した。
米海軍は現在も空母やイージス艦を含む20隻近くの戦闘艦船を日本に前方展開しているが、もし横須賀や佐世保が利用できなければ、拠点をハワイや米本土まで後
退させる必要があり、米本土から派遣する場合、到着まで2週間はかかるだろう。
遠征に伴う「距離の暴虐」と言われるほどの戦力維持と補給の困難さは古来より存在し、広大な太平洋を横断する場合はなおさらである。
それゆえに、日本という戦略的拠点に第7艦隊を前方展開させることが、有事の際の初動対応においていかに重要であるかが理解されるだろう。
しかし、その中心となる原子力空母が常時稼働しているわけではないことに注意が必要だ。
どれほど長期間にわたり動力を維持できる原子力空母でも、定期的なメンテナンスと乗員の休暇は必要だからだ。
したがって、第7艦隊の第5空母打撃群が戦力化されていない期間も当然存在するが、その間でも他の空母打撃群が投入され、抑止力を維持する仕組みになっている。
このように、米海軍は11個の空母打撃群を運用し、その中から常に2〜3個が即応展開可能な体制を維持しているというのが実情である。
そして、空母の心臓部である原子炉のメンテンナンスをアメリカ国内で唯一行えるのが、「ノーフォーク海軍造船所」である。
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核燃料交換を行うノーフォーク海軍造船所
アメリカ海軍が所有する最古であり最大の工廠であるノーフォーク海軍造船所は、すべての現役艦船に対して修理や近代化を行う場所だ。
ここは東海岸でも数少ない、原子力空母が入渠可能なドライドックを保有している施設の一つである。
近隣のバージニア州ニューポートニューズにあるニューポート・ニューズ造船所も原子力空母が入渠可能なドライドックを有しており、ここは現在、原子力空母を建造し、核燃料の交換を行うことができる唯一の造船所となっている。
原子力空母は通常、一度核燃料を補給した後、その燃料で20年から25年稼働することができる。
つまり、通常の燃料に頼る艦船と比較して、原子力空母は非常に長い期間にわたり海上を航行する能力を持っている。
核燃料の交換は、非常に専門的な作業で艦の中央部にある原子炉を一部解体し、古い燃料棒を取り出し新しいものに交換する。
このプロセスは、非常に時間がかかる上、放射能のリスクを管理するための厳重な安全対策がとられたノーフォーク海軍造船所でしか行うことができない。
燃料の交換と同時に、艦自体の大規模なオーバーホールと保守作業が行われるため、空母がドライドックに入渠して燃料交換や保守を行っている期間は、通常3年ほどの期間が必要となる。
このように、ノーフォーク海軍基地には、空母5隻のほか、イージス艦、潜水艦など様々な艦種が母港としている。
また、医療施設、宿泊施設、教育機関、レクリエーション施設など、軍人だけでなくその家族も利用することが可能な施設が充実しているのである。
ノーフォーク海軍基地の存在は、アメリカ海軍のグローバルな展開能力を支え、艦隊にとって極めて重要な役割を果たしている。
次の動画では、空母の原子炉について、その仕組みと秘密にせまる。
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