手榴弾が敵を一掃するその仕組みとは?5つの種類とその威力
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陸上自衛隊で、訓練中に投げられた手榴弾が爆発し、その破片が別の男性隊員の首に当たった。

この事故により隊員は重傷を負い、甲府市内の病院に緊急搬送されたが、約2時間後に命を落とした

使用された破片手榴弾は、安全ピンを抜いてから約4秒から8秒後に内部の爆薬が爆発する仕組みだ。

手榴弾は、外装の鉄が破裂して破片が四方八方に飛び散り、周囲の人間を殺傷する設計になっている。

今回は、手榴弾の種類、爆発のメカニズム、そして過去に起きた事故について詳しく見ていく。

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手榴弾の基本構造とその驚異的な破壊力の秘密

手榴弾は主に敵に破片や衝撃を与える小型の爆発装置として使われている。

手榴弾には大きく分けて二種類が存在する。

ひとつは「破片手榴弾」、もうひとつは「攻撃型手榴弾」だ。

破片手榴弾は最もポピュラーで、映画やゲームでよく目にする「フラググレネード」もこれに含まれる。

例えば、破片手榴弾は半径数メートルが致命的であり、その範囲内にいる人は重傷または死亡する可能性が極めて高い。

対して「攻撃型手榴弾」は、爆発の衝撃波でダメージを与える。

破片手榴弾と異なり、衝撃波は障害物を回り込んで届くため、テーブルやソファの背後に隠れても無意味になる。

殺傷範囲は数メートルと狭いが、破片が飛び散らないため市街地戦に適していると言える。

構造は基本的に共通しており外殻は通常、金属またはプラスチックで作られており、爆発時に破片を生成する役割を持つ。

破片手榴弾の外殻には、爆発すると小さく鋭い破片に分解されるように特定のパターンや溝が刻まれていることがある。

詰められる爆発物は、爆発時に大量のエネルギーを放出する化学物質の混合物だ。

代表的なものにはTNTがあり、他にも特定の効果をもたらす特殊な爆薬が使われる。

手榴弾の発射機構は、ストライカーと呼ばれる撃針が手榴弾のピンを引くとバネ仕掛けで解放され、撃針が起爆装置を叩いて起爆装置を作動させる。

これで爆発のカウントダウンが始まる。

起爆装置は小型の火薬が詰められたキャップで、撃針の衝撃により火花を発し、起爆装置に点火する。

遅延信管は設定された時間(通常4~5秒)の間に爆発を遅らせ、手榴弾を投げる時間を確保する。

手榴弾の安全機構は誤って発射機構が作動するのを防ぐための重要な要素だ。

安全ピンは金属製で、手榴弾本体の小さな穴から挿入されて発射機構を所定の位置に保持する。

ピンを抜くと発射機構が解除され、手榴弾は実弾となる。

遅延信管は手榴弾が投げられてから爆発するまでの時間をカウントダウンする装置だ。

機械的な装置や特定の時間や条件下で起爆するようプログラムできる電子的な装置がある。

これにより、投げた後に一定時間内で爆発し、投げ手が安全な距離を確保できるようになっている。

アメリカ軍で使用されるM67手榴弾は、その殺傷範囲が半径15メートルと広い。

5メートル以内にいると致命傷を避けることは難しい。

破片はときに230メートル以上も飛ぶことがあり、遠くから飛んできた破片が目に当たって死亡する例もあるほどだ。

M67手榴弾は、爆発による圧力と飛び散る破片で敵を制圧することを目的としている。

その威力は恐ろしく、兵士たちにとっても危険だ。

しかし、その強力な破壊力ゆえに戦場での使用が求められる。

手榴弾の破片が予測不可能な方向に飛び散るため、使い手にも注意が必要であり、その扱いには高度な訓練が必要とされる。

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【手榴弾の種類】破片から発煙、閃光まで!戦場での用途

手りゅう弾にもその目的によって多くの種類が存在する。

建物やトンネルでの近接戦闘から広い野外での戦闘まで、さまざまな状況で活躍する。

例えば、破片手榴弾は榴散弾を発生させ、近くの目標に怪我を負わせたり、命を奪ったりする爆風半径を生み出すよう設計されている。

一方で、発煙弾は視覚的なスクリーンを作り出し、部隊の動きを隠すのに使われる。気絶弾は一時的に敵を混乱させたり無力化させるためのものだ。

殺傷力のない手榴弾も存在し、暴動鎮圧などの非戦闘的な場面で群衆を分散させたり、容疑者を無力化するために使用される。

これらの多様な手榴弾は、その目的に応じて特定の作業を効率的にこなすために設計されている。

破片手榴弾

 

破片手榴弾は、爆発したときに榴散弾を発生させるように設計されている。

榴散弾は、手榴弾の薬莢が小さく鋭い破片に分解されることによって発生する。

榴散弾は、爆発の半径内にいる人に傷害を与えたり、死亡させたり、設備に損害を与えることが目的である。

破片手榴弾は一般的に、対人兵器として使用される事が多い。

発煙手榴弾

発煙手榴弾は、爆発時に煙の雲を発生させるように設計されている。

例えば、スモークグレネードには反応時に濃い色の煙を発生させる化学物質が含まれており、煙は敵部隊の視界を遮り、味方部隊の移動のための隠れ場所や視覚的な合図を提供することができる。

発煙弾は軍事作戦、法執行機関、消火活動などでよく使用される。

閃光手榴弾

目をくらます閃光と耳をつんざく爆発音でテロリストや誘拐犯の動きを封じるスタン・グレネード。

閃光手榴弾は、爆発時に明るい閃光と大きな音を発生するように設計されている。

明るい光と大きな音は、爆発の半径内にいる人を一時的に混乱させ、耳を聞こえなくさせることができる。

光は半径1.5mで100万カンデラ以上でその明るさは自動車のヘッドライトの500倍である。

音は約180デシベルで、これはロケットの打ち上げ時に値する。

強烈な光と音により5秒から6秒間、人間の感覚を麻痺させる。

仕組みは、発火・燃焼する粒子が猛烈な速度で噴出し、音響パルスと閃光を生み出すというものだ。

閃光手榴弾は殺傷力を持たないように設計されているが、至近距離で使用されると、重傷を負わせる可能性が高いのだ。

視覚と聴覚を一時的に奪う閃光手榴弾は、特に人質救出作戦で使用される。

焼夷手榴弾

火炎や熱を発生させるのが焼夷手榴弾である。

この手榴弾は爆発時に高温の火炎を広範囲に撒き散らし、敵の塹壕や建物内部に投げ込まれることで、敵を強制的に退避させるだけでなく、燃料タンクや弾薬庫を破壊し、補給線を断つ役割も果たす。

焼夷手榴弾の主成分として知られるのは、ナパームや白リンなどだ。

ナパームはゼリー状の可燃物であり、爆発と同時に広範囲に飛散し、周囲を猛烈に燃やす。

特に白リンは酸素と激しく反応し、燃焼が非常に高温になるため、水に入れても燃え続け、消火が極めて困難だ。

これらの特性により、焼夷手榴弾は戦場での戦術的な破壊力を持つ。

化学手榴弾

化学手榴弾は、敵に対して物理的だけでなく心理的にもダメージを与える武器だ。

これらの手榴弾は、爆発の衝撃で敵を倒す通常の手榴弾とは異なり、有害な化学物質を放出して敵を無力化する。

化学戦の一環として使用されるこの手榴弾の内部には、毒性ガスや刺激性化学物質が封入されたカプセルが含まれている。

このカプセルは、手榴弾が爆発すると破裂し、催涙ガス、神経ガス、皮膚刺激剤などの化学物質を放出する。

例えば、催涙ガスは敵の視覚や呼吸を妨げ、戦闘能力を低下させる。一方、神経ガスは体内の神経伝達を阻害し、致命的な効果をもたらすこともある。

皮膚刺激剤は、敵の皮膚に激しい痛みやかゆみを引き起こし、混乱を招く。

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手りゅう弾を遠くに飛ばすグレネードランチャーの戦術的役割

現在の手榴弾の起源である擲弾(てきだん)は、17世紀ごろから戦場に登場した。

当時の擲弾は、火薬が詰められた球の天辺に導火線が突き出ている形をしていた。

擲弾を投げるには、前線で生身を晒して敵に接近しなければならなかったため、優れた勇猛な兵士が求められた。

こうして選ばれた擲弾兵は、戦場の花形として活躍した。

19世紀に入ると、擲弾をより遠くに飛ばすための初期のグレネードランチャーが登場した。

これは、現在のグレネードランチャーの原型ともいえるものであった。

現在のグレネードランチャーは、「手榴弾では届かないが、迫撃砲では近すぎる」敵に対して効果的に攻撃するために開発された。

40mmグレネード弾の有効射程は1,600メートルで危害半径は15mであるが、映画のような派手な爆発を期待してはいけない。

実際のグレネード弾は、大爆発や複数人を一度に吹き飛ばすような爆発力はないのだ。

しかし、その着弾地点に近ければ複数人にダメージを与えることが可能である。

このように、手榴弾はそれぞれが特定の戦術的ニーズに応えるために設計されており、戦場での用途や効果に応じて多くの種類が存在するのである。

次の動画では、核兵器に次ぐ破壊力をもつサーモバリック爆弾の威力について解説しよう。

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