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海上自衛隊には数多くの艦船が存在する。
それらの艦船は2文字もしくは3文字のアルファベットを組み合わせた艦種記号によって分類され、各分類ごとに任務が違ってくる。
海上自衛隊で新たに設定された新型FFMをはじめ、DDG、DDHといった艦種記号により、それぞれ任務やミッションはどのように変わってくるのだろうか?
もちろん他の艦種記号も海上自衛隊には存在するが、これから主力となる3種類の護衛艦がFFM,DDG、DDHである。
今回は、海上自衛隊で新しく就役した新型FFMの特徴を始め、DDGと呼ばれるイージス艦やヘリ空母に分類されるDDHの役割や任務について解説していこう。
海上自衛隊の主力護衛艦の違いや任務を動画でも解説しているので、最後まで見てね!
この記事に書かれている内容は
新型FFMの特徴と任務
新型FFMの任務は多目的護衛艦という任務が付与されている。
FFMは防衛白書において新たな護衛艦と説明されており、従来の護衛艦の任務とは異なる、あるいは横断的な任務をこなすための護衛艦という位置づけになっている。
まずFFMは、従来の汎用護衛艦であるDD型と同じ、対潜・防空能力を有するほかに、揚陸部隊、補給部隊、商船団等の護衛を任務とするフリゲート(FF)に加えて、機雷除去艦に付与される「M」を加えたものだ。
この「M」とはMine(マイン)、すなわち機雷を意味する。
掃海艇の任務であった機雷除去も可能な艦艇のためFFMという艦種となっている。
現在1番艦の「もがみ」をはじめ、「くまの」「のしろ」「みくま」の4番艦までが進水している。
FFMの具体的な任務であるが、艦隊の護衛といった前線の任務と機雷除去、輸送などの後方支援の任務の両方を行える野心的な任務が与えられている。
これは、FFMがさまざまな装備によって拡張することができる特徴によるものである。
ユニット化された装備を必要に応じて次々に装着、除去することによって必要な任務に応じて武装強化を行ったり、あるいは輸送力を高めたりといったことが可能になるのだ。
つまり、カメレオンのようにその時期の防衛事情によって装備を変化させていくことが可能となる。
ミサイルを発射する垂直発射装置VLSについては、装備できるスペースは確保しているものの、現在は4隻とも未装備となっている。
ミサイルなしで、どう戦うのかという疑問は残るものの、いずれは装備されるであろう。
「多様な任務への対応能力の向上と船体のコンパクト化の両立」といった目的で開設された経緯もあため、多様な任務に柔軟な対応をしていくことになるだろう。
そのため、通常の護衛艦の乗員に加え、掃海艇の乗員、また航空整備要員も乗艦するという今までにないタイプの護衛艦となる。
このようにFFMとは様々な任務を達成するための護衛艦となる。
これからの世界の風潮として固定した任務にとらわれることなく、戦っていくことが求められ、それに対応した海上自衛隊の護衛艦がFFMといっても過言ではない。
DDG型護衛艦の特徴と任務
DDGとはミサイル護衛艦という意味である。
もともとはアメリカ海軍のミサイル駆逐艦に付与された艦種記号で、ミサイルによって艦隊の防空任務を主としている。
海上自衛隊では、現在は練習艦となった「かぜ型」やイージス艦のことをDDGという。
汎用護衛艦(DD)の艦種記号に誘導弾(Guided missile)の「G」を追加したことで誕生した経緯を持つ艦種記号である。
かつてはミサイルを搭載している護衛艦に付与されていたが、ミサイルの搭載が一般的になった1980年代以降は、より防空能力のあるイージス護衛艦に対して付与されるようになった。
「かぜ型」が練習艦となった2022年現在はイージス艦のみを指す艦種記号となっている。
任務は護衛艦隊の防空、つまり艦対空ミサイルや各種艦対空兵器による攻撃から、部隊全体を守る任務やイージスシステムによる効率的な防空情報の提供といった任務を行う。
ただ、昨今の隣国によるミサイル発射や周辺国のミサイル攻撃を想定し、現在では艦隊防空を担うだけでなく弾道ミサイルによる領土攻撃に対する迎撃任務も担うことになった。
これによってDDGの重要性は年々増しており、BMDといわれる弾道ミサイル防衛能力が付与されたDDGとなっている。
対艦攻撃から対空防御、さらには国土の防衛、しかも任務範囲が拡大している艦種記号の艦船といえるだろう。
ちなみに新しい型式のDDGが登場するたびに船体のサイズを大型化しており、当初国産化された「かぜ型」は4000トン程度のサイズであったものが、現行の「まや型」は8,200トンと倍以上のサイズになっている。
こういった傾向もDDGに任された任務の大きさを意味するものといえるだろう。
イージス艦は現在の海上自衛隊の艦艇では最強とされ、DDGなくして敵ミサイルから部隊を防護することはできないくらい重要な任務を担っている。
防衛の最重要任務を担っている艦種記号がDDGである。
DDH型護衛艦の特徴と任務
DDHの任務はヘリコプターの運用がメインである。
当初は一般的な汎用護衛艦(DD)に(H)ヘリコプター搭載能力を付与したものだった。
前甲板に汎用護衛艦のような大砲やミサイルといった装備を持ち、後甲板にヘリコプター運用能力を持たせたもので、基本は汎用護衛艦といった体裁を取っていた艦種記号の艦船だ。
しかし、そこで得たデータをもとに徐々に大型対潜ヘリコプター3機を搭載する能力を備え、艦隊の対潜防衛を担う存在へと発展していったのだ。
この路線の発展は止まることがなく、徐々に運用できる機数や整備能力といった能力も付与されていき、艦船のレイアウトも変化した。
そして13・17中期防衛計画ではDDHという汎用護衛艦発展型であるにも関わらず他国のヘリコプター空母に匹敵するフラットな全通飛行甲板を導入したのだ。
このタイプとして誕生したのが「ひゅうが型」であり、全通飛行甲板を導入しつつ、大砲は装備されていないものの、ミサイルや短魚雷などDDに劣らない個艦戦闘能力も付与された。
この時点で、すでに攻撃能力を有するヘリ空母といっても過言ではなく対潜防衛の任務やヘリコプターを本格運用した多目的任務にも本格的に対応できるようになった。
現在では、さらに大型化された「いずも」と「かが」は海上自衛隊最大の護衛艦として、兵装を簡素化しつつ航空運用機能や多用途性を強化し、より本格的な航空機の運用任務を担っている。
対潜ヘリコプターを最大14機搭載することができ、その大型な船体を活用して災害派遣でも活躍している。
さらに「いずも」はステルス戦闘機F-35Bの運用ができるように大改修が行われ、すでに発着艦試験を完了している。
これによってDDHは汎用護衛艦の任務を超え、戦闘機による打撃任務も付与されることとなる。
海上自衛隊の戦力の中でも発展が注目される艦種記号の艦船といえるだろう。
ただし、周辺国への影響が大きいため、安易にこういった任務を与えることは政治問題の観点からも慎重になるものと思われる。
海上自衛隊のいま
今回は、海上自衛隊の艦船のうち、ホットな話題となっている新型FFM、イージス能力が期待されているDDG、そして海上自衛隊の本格的な航空戦力の獲得が目されているDDHについて解説してきた。
しかし、これらの艦船だけでは海上自衛隊の戦力を維持できるわけではない。
他の艦船による、きめ細かな連携や活躍によって初めてこれらの艦船の活躍が光るのだ。
もちろん今回紹介した艦船はいずれも海上自衛隊の顔ともいえる大型艦船ばかりであり、目にする機会があればその大きさや迫力に驚かされることだろう。
さらに、こういった艦船が活躍することによって日本の領土防衛はより確実なものになる。
いずれの艦船も隊員たちのたゆまぬ訓練と運用技術の研鑽によってさらなる進化が期待される。
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