日本列島を飛び越えた北朝鮮のミサイル!なぜ迎撃しない?金正恩の狙いとは?

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

数ある戦争映画の中でも、今回は実話を元にしたエピソードのみを厳選して紹介する。

一度は見ておきたい実話の戦争映画5選!

10月4日、4日午前7時半ごろ東京新島村の住宅で鳴ったJアラートが住民を驚かせた。

北朝鮮が日本列島を越える弾道ミサイルを発射し、日本に飛来する恐れがあるとし「Jアラート」が発せられたのだ。

専守防衛の観点から防衛する力しか持たない日本にとって、近隣国である北朝鮮の弾道ミサイル発射は大きな脅威である。

これまで北朝鮮は、自国の記念に合わせて弾道ミサイルの発射を行うことがしばしばあった。

しかし、最近ではこのような記念儀式的でなくとも日本海に向けて弾道ミサイルを発射している。

北朝鮮がこの発射試験を繰り返す理由は何なのか。

しまかぜ

弾道ミサイルとはどんな兵器なのか、日本の防空能力についても動画で解説するよ

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弾道ミサイルとはどのような兵器か

そもそも弾道ミサイルとは何なのか。

弾道ミサイルは、主にロケットエンジンによって推進力を得て発射後は上昇しながら速度を上げ目標に向かって飛ぶ兵器である。

ロケットが燃え尽きると、ブースター部分を切り離し弾頭はそのまま飛翔し、放物線を描くように弾道軌道を描き目標地点まで到達することから「弾道ミサイル」と呼ばれる。

弾道ミサイルは、空気抵抗が少ない大気圏の高層や、宇宙空間といった高高度を飛行する。

そのため同じエネルギーでも、より遠くの目標地点を目指し、そこに到達することができる。

射程は数百kmという短いのものもあるが、国から国へ届く1万km以上に及ぶ大陸間弾道ミサイルも存在する。

弾道ミサイルはマッハ5以上で飛び、近年は軌道が変則的な極超音速滑空体とよばれるものも開発されている。

このミサイルの場合、弾頭部分予想位置が計算できないため後で解説する日本の防衛システムでは迎撃が不可能となっている。

東京から北朝鮮までは約900kmでありマッハ5のミサイルが発射されたら10分以内に弾着する計算となる。

また飛翔高度は数百kmから1000km以上にも及び、一般的な旅客機の飛行高度が約10km程度であることを考えると、非常に高高度から落下してくるのである。

このような脅威から国を守るために、日本は2つの防空網で守られている。

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弾道ミサイルを迎撃する2重の防空網

日本は弾道ミサイルによる攻撃を受けた場合を想定して、独自の防衛システムの整備を進めている。

現在は、日本海に展開するイージス艦と陸上に配備されているPAC-3(ペトリオット)の2重の防空網で日本を守っている。

日本に向けて弾道ミサイルが発射されたならば、まず最初に探知するのがアメリカの偵察衛星で、ミサイルの熱源を感知し、その情報を各部に送信する。

日本では対応が遅れる事態を防ぐために、JADGE(ジャッジ)という自動警戒管制システムが取り入れられている。

これにより、全国のレーダーから集められた情報を集約している。

これらのシステムを統合することで、弾道ミサイルが飛来する地点を予測し、イージス艦などに対して迎撃を指示することが可能になっている。

また、イージス艦自体も高性能なSPYレーダーを装備しており、米軍や航空自衛隊のレーダー情報をもとにミサイルを探知する能力を持っている。

弾道ミサイルからブースターが切り離され、大気圏外の高高度を飛行している段階でイージス艦は未来位置を計算してSM-3という迎撃用ミサイルを発射する。

アメリカ国防総省は、これまでに行われたSM-3のテストでは84%の目標が破壊されたとしており「実戦配備可能」であることから、米軍と海上自衛隊のイージス艦にはSM-3が装備されている。

もし、迎撃に失敗した場合に備えて、陸上では航空自衛隊のPAC-3が配備され、大気圏に再突入した後、着弾までの最終段階で迎撃するという2重の防空システムをとっている。

アメリカはさらにTHAAD(サード)と呼ばれる弾道弾迎撃ミサイルシステムを開発しており、弾道ミサイルが大気圏に再突入した段階でPAC-3よりも遠くで迎撃し、撃破することを可能にしたミサイルである。

しかし、先ほど解説した極超音速滑空体という弾頭の場合、通常の弾道軌道を描かずにグライダーのように滑空してくるため、未来位置を計算することができず迎撃することはできないのだ。

アメリカを含め、現在の防空システムでは極超音速滑空体を迎撃する手段はないのが現状であり、各国はこのミサイルに対する迎撃システムの開発を進めている。

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日本列島を越えた弾道ミサイルを迎撃しない理由

今回の発射は日本列島を飛び越えるという、一歩間違えれば日本の領土に弾着しかねない危険な行為である。

このような危険なコースを通過する弾道ミサイルに対し、政府は「遺憾の意」を表すだけでなく、イージス艦に迎撃命令を出してはいけないのだろうか?

北朝鮮から発射されたミサイルは先ほど解説したように、ブースターにより加速を続け、ある程度の速度と高度に達したところで、ブースターを切り離し、慣性の力で弾頭部分が飛んでいく。

例えるなら野球ボールを投げるときに力を加える腕がブースターで、ボールが弾頭だとしたら、手から離れる瞬間の力で落下地点が決まるのである。

つまりミサイルのブースターが切り離された時点で、そのときの角度や速度から弾着地点が計算されるのである。

イージス艦は弾着地点を計算して、もし日本の領海や領土に弾着すると分かった時点で迎撃のためのSM-3を発射する。

しかし、今回のミサイルは計算結果が太平洋上であったため迎撃はしなかったのである。

もし、日本列島を飛び越えるという理由で迎撃をしたならば、おそらく北朝鮮は「飛翔体は弾道ミサイルではなく人工衛星だった」と主張し、日本が迎撃したことに

対し非難を浴びせただろう。

人工衛星か弾道ミサイルかの判別は、発射後に地球の軌道上に乗らなければ分からないため、むやみに迎撃することはできないのである。

逆に弾頭部分が落下してきた時点でミサイルと判別できるが、その時点ではタイミングが遅すぎて迎撃することはできないのである。

弾道ミサイルとSM-3はどちらもマッハ10以上の速度域での衝突になるため、探知すればいつでも迎撃できるわけではなく、撃ち落とせるポイントは限られている。

ちなみに9㎜拳銃の弾丸の速度はマッハ1程度、F-15戦闘機はマッハ2.5であることから、これらのミサイルがいかに速いことが分かるだろう。

要するに、人工衛星か弾道ミサイルか判別できない時点でSM-3を発射しなければ間に合わないため、日本列島を飛び越えるからという理由だけでは迎撃できず、非常

に難しい判断を強いられるのである。

北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を繰り返す理由

北朝鮮の庶民についての情報が乏しい日本にいると、貧しく小さな国であり経済力がないのではないかと思えてしまう。

北朝鮮は弾道ミサイル1発に100万ドル(約1億4500万円)以上を投じており、これは北朝鮮全住民の2日分のお米が購入できるという。

ミサイル開発が庶民の生活を圧迫しているならば、国内からの反発はないのかと考えることがごく当たり前ではないだろうか。

繰り返される弾道ミサイルの発射試験は、北朝鮮がより効果的な核抑止力の獲得をこれまで以上に押し進めているという主張もあるとの見方もある。

北朝鮮が実際に発射している弾道ミサイルは陸上発射型、潜水艦発射型、車両搭載型、鉄道機動型など様々なプラットフォームからの発射ができるようになっている。

ミサイル発射試験を繰り返すことで、その精度と飛距離は確実に向上しているといえる。

北朝鮮がこのようなミサイル発射試験を繰り返す理由の1つとして、非核化をめぐるアメリカと北朝鮮の間の交渉が行き詰まっていることが背景にあるのだ。

北朝鮮は自分たちのことを国際社会、特にアメリカとの交渉の議題に置き、何よりも優先させたいという思惑がある。

トランプ大統領時代は3回の首脳会談が行われ、北朝鮮に何かしらの関心があったアメリカであったが、バイデン大統領に代わってからは、自分たちに関心がないとわかってきた。

実際に、アメリカのバイデン大統領はウクライナで起きている危機的状況への対応に追われ、どちらかというと他の国もそちら側の対応に迫られている。

北朝鮮の本当の狙いは不明瞭なところがあるが、弾道ミサイルの発射試験を繰り返すことで、優先議題に持ち出したいことは確かなようだ。

次の動画では、現在の防空システムでは迎撃不可能な「極超音速兵器」の仕組みと脅威について解説しよう。

 

「戦争映画」は、ただ国同士が争う映画ではない。

迫力ある戦闘シーンだけでなく、涙なしには語れない数々の人間ドラマがある。

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