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トリガーよりも楽器を弾きたい!
自衛隊の中にありつつも、戦わない異色の部隊。
それが「音楽隊」である。
音楽隊は武器の変わりに楽器を持つ。
陸海空の自衛隊は、いずれにも音楽隊が設けられており、外国の軍隊における軍楽隊にあたるものである。
では、世界の軍隊にも存在する音楽隊は、いったいなんのために存在しているのだろうか?
自衛隊の音楽隊の任務や、その演奏レベルを動画でも解説!
この記事に書かれている内容は
自衛隊の音楽隊の任務
自衛隊の音楽隊は、各自衛隊内に存在する特別な部隊であり、音楽演奏が主となる活動を行う部隊である。
陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、どの自衛隊においても音楽隊は編成されている。
音楽隊は、吹奏楽の編成として組織されている。
吹奏楽は木管楽器、金管楽器、打楽器で構成され、その豊かな音色は野外でも強力に響き渡る。
パレード、式典、コンサートと、様々な場で演奏が行われるのが自衛隊音楽隊の特徴だ。
なぜこのような活動を行っているのかと言えば、主な任務は士気の向上にある。
自衛隊は一体となって行動することが極めて重要であり、その結束力を高めるためには隊員の士気向上が欠かせない。
そして、音楽隊の演奏活動はその一環として、隊員間の絆を深め、演奏によって士気を引き上げる重要な役割を果たしている。
例えば、長期の海外任務に旅立つ護衛艦の見送りでは、家族と共に音楽隊の演奏が行われ、感動的な一幕を演出する。
また、各自衛隊には音楽隊が所属しており、陸上自衛隊の各方面隊に5隊、海上自衛隊の地方隊に5隊、航空自衛隊の航空方面隊に4隊、そして陸上自衛隊はさらに師団や旅団の音楽隊が15隊編成されている。
陸上自衛隊だけ人数が多い理由については、「陸上自衛隊は他と比べて隊員が多く、それだけ士気を上げなければならない隊員も多いからだ」との見解である。
音楽隊の隊員は、演奏会のたびに個人練習や合奏訓練を欠かさず行っている。
また、デスクワークや演奏会の調整業務、車の運転や整備といった様々な業務を同時にこなしている。
さらには、通常の任務だけでなく、被災者への慰問演奏活動も行っている。
例えば、「中央音楽隊は東日本大震災の際に災害派遣演奏を行った」という経験がある。
また、災害現場での活動中の隊員への演奏も音楽隊の重要な任務だとされている。
熊本地震の際には、被災地で設営された天幕内での演奏が行われ、迷彩柄の陸上戦闘服を身に着けた隊員たちがフルートやオーボエを奏でた。
その優しくも力強い音色は、被災者たちに安らぎをもたらし、一時的ながらも余震の恐怖を忘れさせる力があった。
演奏を通じて被災者の笑顔を引き出し、他の部隊からの感謝の言葉を受け取った音楽隊は、まさに「音楽の力をあらためて確認できた」という隊員の言葉通りの存在だ。
音楽隊は災害現場での作業や射撃などの訓練を日常的に行い、基地警備などの任務も負う。
その独自の活動スタイルから、自衛隊音楽隊は一見奇異な部隊に見えるかもしれないが、ライフラインが寸断された厳しい現場でも自立的に活動し、心地よい音楽を届ける集団としてその存在は非常に重要だ。
さらに、自衛隊音楽隊は広報活動にも大いに貢献している。
例えば、米大統領の来日やオリンピック、大相撲、競馬のダービーレースのファンファーレで演奏するなど、自衛隊の音楽隊が演奏活動を通じてその存在感を示している。
儀式や式典での演奏は、自衛隊音楽隊の重要な任務であり、その役割を果たすことで、自衛隊全体の名誉と存在を高める一助となっているのである。
音楽隊の演奏レベルはどのくらいなのか?
自衛隊音楽隊の演奏力は、有名な日本のプロの吹奏楽団と肩を並べるものとされている。
それぞれの隊員が極めて高い演奏技術と表現力を持ち、ポップスから吹奏楽の難曲まで、さまざまなジャンルの曲をこなすことが可能だ。
音楽大学等で教養を深めたプロの演奏家が隊員の大部分を占めている。
これらの隊員は厳格な選考基準を突破したエリート奏者たちである。
陸上自衛隊中央音楽隊は、自衛隊音楽隊の中でも最高峰とされる存在である。
彼らは、「日本を代表する吹奏楽団」としての地位を確立しており、その評価は国内外で高く、2017年には「ロイヤル・エディンバラ・ミリタリー・タトゥー」という世界的なイベントで最優秀出演団体賞を受賞している。
各自衛隊音楽隊が行った演奏会や吹奏楽曲のCDも販売されており、その演奏レベルの高さが伺える。
定員制の音楽隊に選ばれるためには、実戦で即座に活用できる実力が求められる。
そのため、高度な演奏技術と音楽知識を持つことが不可欠である。
自衛隊の音楽隊は本当に必要なのか?
世界の多くの国には軍楽隊と呼ばれる軍隊の一部が存在している。
軍楽隊のない軍隊はむしろ珍しいと言えるだろう。
国際儀礼の場では、各国の軍隊が演奏を担当するのが一般的である。
これを民間に任せると、日本だけが民間の楽団に任せていると見られ、国際社会から見て失礼と解釈される可能性がある。
有事の際には後方支援業務に従事するため、音楽隊の隊員には最低限の戦闘行動を取る能力も必要だ。
海外派遣時には、現地の人々の士気を高めるために演奏を行うが、そのために一般の演奏家を連れて行くのは危険であると考えられる。
武器だけが国民を守る道具ではない。
音楽隊の武器は楽器であるし、音楽隊は専属の存在である。
パイロットが飛行機を飛ばすのが主任務であるように、領空侵犯に対しては専属のパイロットが対応する。
医療部門や料理部門が民間に任せられないのは何故だろうか?
爆弾処理班が民間のプロフェッショナルに任せられないのは何故だろうか?
つまり音楽隊も同じような考え方なのである。
音楽隊は訓練や負傷で入院している隊員たちへの慰問演奏も行っている。
病気や負傷で長期入院を余儀なくされている隊員たちの士気を高めるために演奏を行っているのだ。
もちろん、一般の病院や介護施設、老人ホームへの訪問も行われている。
自衛隊の音楽隊は過去にロシアの音楽祭に招待され、北朝鮮と同じステージで演奏を行い、音楽を通じて国同士の理解を深める役割を果たしたことがある。
楽器を持つ音楽隊は、お互いの国々の理解を深める重要な役割を持つ存在だ。
確かに音楽隊が必要なのは間違いないが、その数が多すぎるとの意見も存在する。
しかしそれは、各地方の自衛隊や自治体のイベントの数によるものである。
コンサートや地元の商業施設での小規模な演奏会を含めると、年間300回以上の演奏を行っていると言われている。
リハーサルや移動も考慮すると、非常に忙しい部隊であると言える。
トリガーを引くよりも楽器を弾いて、人々を助ける役目が自衛隊の音楽隊なのだ。
次の動画では、自衛隊の氷砕艦しらせが南極に行く理由について解説しよう。
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