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一体本物なのか、それとも偽造されたフェイクなのか。
この疑問が浮上したのは、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」がドローンによって撮影されたとされる動画がSNSを通じて広がり、大きな議論を呼んだ。
結果、この動画は実際の撮影であったことが判明したのは、約1か月後のことだった。
この騒動は、ある中国の大手動画共有サイトに投稿されたことから火がついた。
横須賀基地に停泊中の「いずも」を撮影したドローンの正体
問題となった動画は約20秒の長さで、横須賀市にある海自横須賀基地で停泊中の「いずも」の飛行甲板を低空から後方に進みながら捉えている。
特に問題となったのは、動画の左上に表示された「bilibili」というロゴだ。
これが示すのは、動画が中国のプラットフォームであることだった。
日本国内では、防衛関連施設上空でのドローン飛行は厳しく制限されており、無許可での飛行は法律で禁じられている。
そのため、この動画が撮影された事実自体が既に多くの疑問を呼んだ。
さらに、横須賀米軍基地に停泊している原子力空母ロナルド・レーガンが、不意にドローンによって上空から捉えられた様子がXに投稿された。
このドローン映像では、空母ロナルド・レーガンの艦橋に明記された「76」という番号がはっきりと確認できる。
映像は左舷側から艦首に向かって約15秒間にわたって撮影されたと見られている。
驚くべきことに、同じアカウントからは、「いずも」のドローン映像も投稿されている。
この一連の投稿が、テロ行為や諜報活動の一環ではなかったことが何よりの救いである。
この映像を投稿した人物は、ただの軍事施設マニアであり、ミリタリー関連のドローン映像を撮影しては世界中のSNSに公開しているようだ。
実際、この人物は先月、北朝鮮にも無断で侵入しドローンを飛ばすという、驚くべき行動に出ていたことが判明している。
日本国内では、自衛隊や米軍施設を含む防衛関連施設上空でのドローン飛行が禁じられており、管理者の同意なしに飛行させることは法律で禁止されている。
このため、動画がどのように撮影されたのかについても大きな問題となっている。
木原防衛相は記者会見で、当初この動画が悪意を持って加工されたフェイクかもしれないとコメントし、AIによる生成の可能性に言及した。
動画では艦尾に掲げられた自衛艦旗の隣にある艦番号が「83」であるはずが、「8」のみがかろうじて見え、「3」が識別できない状態となっている。
護衛艦「いずも」の飛行甲板に描かれた番号「83」の「3」が薄れて見えない点は、実際に「いずも」の最近の状態と一致していた。
それにもかかわらず、その映像が本物であると認めるまでに一ヵ月以上を要したことは、自衛隊の反応の鈍さを示していると言えるだろう。
問題の映像がネットにアップロードされたことにより、自衛隊の情報検証能力に大きな疑問が投げかけられた。
これは現代の情報技術時代において許されないレベルの対応である。
さらに、防衛省は「基地警備能力の手の内を明かすことができない」という理由から、今回のドローンを事前に探知していたかどうかの情報は公開していなかったが、後に探知できなかったと報じている。
自衛隊の艦艇は港に停泊中は基本的にはメンテナンス等以外ではレーダーは起動していない。
軍港のように重要な軍事資産が集まる場所での無人機の脅威は、現代戦において避けられない要素である。
ウクライナ戦線における無人機の活用が示すように、小規模ながら高い戦術的価値を持つ無人機は、敵による奇襲攻撃のツールとしても使用され得るからだ。
さらに、将来的には付近の海岸などから放たれた水中ドローンによる潜水艦の撮影も考えられる。
潜水艦のスクリューなど重要部分が撮影されれば、その性能に直接影響を及ぼす恐れがある。
では、対応の遅い日本と比較して他国ではこのようなドローンにどのような対処をとっているのだろうか?
台湾軍、中国ドローンを即撃墜!SNSに挑発動画も投稿
台湾が実効支配する金門島の近くで、中国本土からと思われるドローンが撃墜された事件が発生した。
台湾軍は、ここのドローンに対して警告を発したが、応答がなかったため撃墜に踏み切り、その残骸は海に落ちたという。
台湾の蔡英文総統は、空軍部隊を視察した際に「挑発行為に対し強力な対抗措置をとる」と指示していた。
中国のSNSに「泉州機長」と名乗る人物が、「同胞に愛情を送る」と題した1分21秒の動画を投稿した。
後日、ドローンによって投下されたとみられる食品が発見されたことが発表された。
台湾軍当局は、この出来事を「大陸部の無人機が挑発や嫌がらせをしている証拠だ」とみなしている。
特に物資の投下は、「爆弾だって投下できる」という脅威のメッセージを含んでいるとされる。
日本の状況は、このような事態に即応する手段が限られているという点で異なる。
例えば、自衛隊は飛行禁止区域で無人機が確認されたとしても、ただちに銃やミサイルを発射する権限がない。
飛行禁止区域の指定自体が、ドローン侵入者にとってはほとんど意味をなさない現実がある。
いつでも気兼ねなく発射できるのは「遺憾砲」だけであり、自衛隊の現状は、平時では警察力も上回らない弱さである。
ドローンが侵入し、何かを発見しても、その場で対処するよりも報告や記録が優先され、攻撃される可能性があるとしても対応は限られている。
このため、日本は適切な対策を早急に整える必要がある。
憲法や自衛隊法、関連する法律の整備を進め、いつどこでどのような状況でも迅速に対応できる体制を確立することが急務である。
横須賀基地の事例を見ても、すでに中国の非正規戦が始まっていると言えるかもしれない。
横須賀の「いずも」が中国から標的にされた事実は、日本がどのような脅威にさらされているのかを示している。
基地の周囲は多くの高い建物に囲まれ基地内を見渡すことができるため非常に攻撃しやすい位置にある。
ドローンの飛行を阻害する電磁波などの手段も考慮されるべきだが、その使用は繁華街に隣接するような場所では限られるため、自治体との連携なしには困難である。
安全保障環境が悪化する中、対策を講じることが急務である。
戦艦大和の極秘建造に学ぶ現代の偵察回避技術
現代の軍事戦略では、兵器や戦力の秘匿が非常に重要な役割を果たしている。
秘密保持は、敵に対して自国の真の戦力を隠し、不確実性を維持することで抑止力を高める戦略である。
敵が自国の戦力を完全に把握できない場合、その不確実性が敵にとってリスクとなり、抑止力となる。
例えば、北朝鮮ですら核兵器やミサイルの性能についての情報は極めて限られており、この不透明性が一種の抑止効果を生んでいる。
しかし、最新技術を用いた偵察手段、特にドローンによる偵察が増えることで、これまでのような秘匿戦略の有効性が問われる時代になっている。
ドローンによって敵の秘密が容易に暴露されてしまう場合、抑止力の低下を招きかねない。
過去の事例として、1976年のベレンコ中尉亡命事件は、ソ連のMiG-25戦闘機が函館に不時着し、日本の防空システムの脆弱性が露呈された典型的な例である。
この事件は、日本が低空からの侵入に対するレーダーの対応能力、いわゆるルックダウン能力が不足していたことを示し、その後の防空能力の強化を促す契機となった。
このように、過去の経験から学ぶことは多く、現代においても同様の課題が存在する。
自衛隊は現在、対ドローンやサイバー攻撃など最新テクノロジーによる偵察行為に迅速かつ効果的に対処する能力を強化することが求められている。
特に、中国のような国からの潜在的な脅威があり、高度な解析能力と偵察回避技術が必須である。
日本の自衛隊は昭和の頃から「教本に書いてあることしかできない」組織であるといわれている。
これはまるで「張り子の虎」のように、外見は堅牢でも実際の対応能力は脆弱かもしれない。
ウクライナ情勢が示すように、弾薬や平時の情報戦においても、日本は十分な備えがないと考えられている。
現代の偵察技術に対抗するため、ドローンや衛星からの監視を完全に防ぐことは現実的ではないかもしれないが、過去に戦艦大和の建造中に施されたような極秘措置を現代版で考えるべき時が来ている。
たとえば、歴史的に見ると、建造ドックは屋根で隠され、周囲は黒幕や自然のカモフラージュで囲まれ、付近を通るバスや列車の窓は塞がれるなど、目に見えない工夫が施されていた。
このような物理的遮蔽は原始的ではあるが、現代でもドローンによる偵察を効果的に妨げる手段として考えられる。
ただし、サイバー空間や高度な技術を駆使する偵察には、これに加えてデジタル防御の強化が急務である。
そのためにも、自衛隊は革新的な防御戦略を確立し、国際的な安全保障環境の中で日本が直面する諸問題に効果的に対応できるよう、体制の整備と技術の向上に努める必要があるだろう。
次の動画では、機密文書流出で暴露された中国の新型ドローンについて解説しよう。
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