米空母が破壊される日!中国の新兵器「対艦弾道ミサイル」の脅威
Amazonのオーディオブック 
12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。

・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる

公式ページはこちらをクリック

中国が約2000基ものミサイルを配備し、日本を射程に収めているとされる中、国際的な注目は中国の軍事パレードで披露された様々な兵器、特に「空母キラー」と呼ばれるDF-21Dミサイルと、その射程を倍以上に伸ばし「グアムキラー」と称されるDF-26ミサイルに集まった。

これらのミサイルは、海上を航行する敵の空母を攻撃する能力を有しており、中国の軍事的なリーチが急速に拡大していることを示している。

今回は、米空母を狙う対艦弾道ミサイルとはいったいどのような新兵器なのか?

その脅威と日本への影響、中国の野望について解説していこう。

スポンサードリンク

米軍を襲う新たな新兵器!空母キラーとグアムキラーとは?

南シナ海における米国と中国の対立は、日増しに緊張が高まっている。

米国は中国の違法な権益主張に対して「航行の自由作戦」や空母打撃群を展開した。

これに対して2020年には中国が弾道ミサイルを4発発射するなど、あからさまな挑発行動を行ってきた。

これらの行動は、南シナ海を巡る双方の意志の強さを示しており、地域の「ホットスポット」としての地位を確立している。

特に、中国軍が南シナ海に向けて発射した4発の弾道ミサイルは、中国が自国の「権益」への挑戦に対して決して退くことはないという強い意志を表明した行動と捉えられている。

これに対して、米国防総省は南シナ海の紛争地域での軍事演習が緊張緩和や安定維持に逆効果だと非難し、南シナ海を巡る中国の権益主張を「違法」と断じた。

さらに、米国と中国の軍事的対立がエスカレートする中で、偶発的な衝突の可能性も否定できない状況にある。

南シナ海が「ホットスポット」になっている理由は、この地域を中国が掌握するか否かが米国の「本土防衛」に直結しているからであり、両国の戦略的利害が深く絡み合っている。

「グアムキラー」と「空母キラー」と称されるミサイルは、それぞれDF-26とDF-21Dという中国が開発に成功した対艦弾道ミサイルである。

中国が発射したDF-26Bミサイルは青海(チンハイ)省から、DF-21Dミサイルは浙江(セッコウ)省から発射され、両者はバラセル諸島の海域に着弾した。

これらのミサイル発射は、中国が南シナ海へのアクセスを拒否する能力を改善することを目的としていると報じられており、地域における軍事バランスに影響を与えている。

これらのミサイルは、海上を航行する艦船、特に移動目標である空母などを攻撃するために特化された技術を有している。

従来の弾道ミサイルが主に地上の固定目標を攻撃するのに対し、これらのミサイルは特に海洋上を航行する艦船を狙うために設計されている。

対艦弾道ミサイルの一つであるDF-21Dは、射程距離が1500㎞程度とされ、アメリカの空母を主な標的として想定していることから「空母キラー」と呼ばれている。

このミサイルは全長約15メートル、直径約1.4メートルで、キャニスターに格納された状態で輸送起立発射機に搭載される。

DF-21Dの機能として、遠方を移動する目標の識別と位置特定が必要であり、このためにミサイル本体に搭載されたセンサーに加え、追加の情報センサーが必要になる。

これにより、動く艦船を正確に捕捉し、攻撃を行うことが可能となる。

一方で、DF-26はその最大射程距離が4000キロメートルとされ、特にアメリカのグアム基地などを攻撃できる能力から「グアムキラー」と呼ばれている。

DF-26ミサイルには核弾頭を搭載可能なA型と、対艦攻撃用のB型が存在する。

この区分はDF-26の多機能性を示しており、中国軍が持つ戦略的選択肢の広がりを象徴している。

このミサイルは対艦攻撃能力を持ち、中〜大型の艦船に対する攻撃が可能である。

これらのミサイルは射程距離が大きく異なるにも関わらず、どちらも水上目標、特に米国の空母打撃群を攻撃する能力を持つ。

車両に搭載された移動式発射機から発射されるため、衛星画像を通じて発射を事前に察知することが難しい。

この点で、対艦弾道ミサイルは防衛システムにとって大きな脅威となる可能性がある。

スポンサードリンク

アメリカ空母無力化計画!対艦ミサイル技術の進化

対艦弾道ミサイルの概念はソビエト連邦が最初に手掛けたもので、実際に模擬弾頭を搭載した発射試験が成功を収めている。

この兵器は、西側諸国には存在しない新しいカテゴリーである。

しかし、空母などの移動する海洋目標を攻撃するには、広大な海洋での正確な位置把握と、空母打撃群に属するイージス艦などのミサイル防衛網を突破する能力が必須である。

そのためには、ミサイル本体に搭載されているセンサーだけでなく、別の情報収集・監視・偵察などのISRセンサーが必要となる。

これには人工衛星、ドローン、または長距離レーダーなどが利用される可能性がある。

移動する空母への攻撃は、空母の概略位置情報を入手した後、その目標が確実に空母であることを識別し追尾する技術を要求する。

これらを可能とするため、中国はタクラマカン砂漠に米空母とイージス艦の実物大の模型を作り、レール上を走らせることで動く目標に対して命中するための実験を行っている。

砂漠の東端に空母や駆逐艦、さらには海軍基地などを模した大きな模擬標的が撮影された。

衝突跡と見られるクレーターは、中国の対艦弾道ミサイル(ASBM)をテストしたものであることを意味している。

これらのミサイルシステムの開発と配備は、特に太平洋地域における軍事戦略の新たな局面を示している。

空母を無力化するためには、強化された飛行甲板を貫通し、深刻な損傷をもたらす通常弾頭が必要とされる。

DF-21Dは、最大で1,000個の子弾を広範囲にわたって散開させる能力を持つと考えられており、この攻撃方法は空母の甲板上の航空機や電子機器、艦橋などの重要な艦上構造物に広範囲の損傷を与えることが可能である。

さらに、核弾頭の搭載能力により、目標に直接命中しなくても周囲に大きな被害を与えることができ、これはアメリカにとって大きな脅威となっている。

全長330mという超大型艦であるアメリカの空母は、その大きさから対艦弾道ミサイルにとって非常に攻撃しやすい目標である。

これらの対艦弾道ミサイルの開発と配備は、中国が自国の軍事的リーチを拡大し、海上での作戦能力を強化していることを示しており、特にアメリカとの軍事的対立が激化している南シナ海や太平洋地域における戦略的なバランスに大きな影響を与えることが予想される。

スポンサードリンク

中国 南シナ海を要塞化!米空母部隊に「アクセス拒否」戦略

中国が南シナ海の特定エリアにこれらを撃ち込んだのは、米国に対し「南シナ海へのアクセス拒否」を示す目的があったと見られる。

南シナ海は、米国と中国の間で戦略的な意味合いを持つ重要な海域である。

2020年には2つの空母打撃群、さらに米空軍のB-52H大型爆撃機1機が南シナ海で異例の演習を展開したことは、この地域の緊張を高める出来事となった。

これに対して、中国は米国の圧力を薄めるため、強力な対抗措置としてミサイル発射などの演習を実施し、「けん制」の意図を示している。

南シナ海の戦略的重要性は、その地政学的位置に由来する。

この海域は、世界の主要な航海路の一つであり、エネルギー資源の輸送路としても重要である。

また、南シナ海には、豊富な天然資源が眠っているとされ、各国がこれらの資源に対する権利を主張している。

中国にとっては、この海域の「要塞化」を進めることによって、自国の防衛能力を強化し、地域における影響力を拡大することが目的である。

米国はこの動きを警戒し、自由航行の権利を守ると共に、同盟国の安全保障を確保するために軍事的プレゼンスを示している。

また、南シナ海は戦略核兵器の問題とも密接に関連している。

アメリカが中国のミサイル原潜(SSBN)の展開に重きを置いているのは、この地域が戦略的な核抑止力の展開に利用され得るためである。

SSBNは戦略核弾道ミサイルを搭載した戦略ミサイル原潜であり、その隠密性と生存性により、核戦争の抑止力としての役割を果たす。

これは、アメリカ海軍にとって、その空母戦略が南シナ海や東シナ海において危機に瀕していることを意味しており、アメリカ海軍がこれまで半世紀以上にわたって示してきた威力が、これらの地域での軍事行動に大きな制約を受ける可能性がある。

日本に対しても攻撃の可能性はゼロではなく、空母化が行われている護衛艦「いずも」「かが」などがDF-21Dの攻撃対象になる可能性があり、その場合、マッハ10であれば中国からわずか7分で弾着する。

日本の現在のミサイル防衛システムでは、発射場所と弾着地点があらかじめ判明していなければ軌道の計算ができず、迎撃が困難であるため「やられっぱなし」の状態に陥るリスクがある。

米国はこれに対し、南シナ海での「航行の自由作戦」を実施することで、アクセスを確保し、中国の軍事的野心に対するけん制を図っている。

しかし、対艦弾道ミサイルの存在は、米軍の軍事行動に新たな挑戦をもたらし、地域の安全保障環境に影響を与えている

Amazonのオーディオブック 
12万タイトルの本を好きなだけお楽しみいただけます。

・本の1冊分の月額で聴き放題
・料金をメリットが上回る
・いつでも読書できる
・読書量が格段に増え、積読が解消される
・長時間の読書も目が疲れない
・聴くたびに学びを感じる

公式ページはこちらをクリック