イスラエル・ハマス戦争になぜ２つのアメリカ空母打撃群を派遣したのか？

イスラエルとハマスの間の緊張が拡大の兆しを見せる中、アメリカ海軍が空母ドワイト・アイゼンハワーを主力にした空母打撃群を東地中海に送る決断を下した。

しかしながら、急遽作戦が変更になり、イランに近い中東へと目的地が変わった。

当初の計画では、イスラエルに近い東地中海で、すでに展開している空母「ジェラルド・フォード」打撃群と合流させる予定であった。

今回は、なぜ米国が２つもの空母打撃群を派遣したのか？

また、ハマスが北朝鮮の兵器を使用したとされる疑惑について解説していこう。

アメリカ海軍が２つの空母打撃群を派遣

イスラエルによるガザ地区の封鎖は、電気や水、食料といった生活の基盤を断ち切ってしまった。

ガザ地区の住民たちの日常は一変し、彼らの悲痛な状況を目の当たりにした世界はパレスチナへの人道的支援を求めている。

しかし、米国は異なるスタンスをとっている。

イスラエルの軍事的な後ろ盾として立ち、最新鋭の原子力空母「ジェラルド・R・フォード」をはじめとする艦隊を地中海東部に派遣し、中東の各国に対して、イ

スラエルの立場を支持するように強く働きかけているのだ。

米国防長官は更なる動きを明らかにしている。

その背景には、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を食い止め、敵対的行動や戦争のさらなる拡大を防ぐ意図があるとされる。

ガザ地区の住民たちの声や願い、平和を求める人々の叫びは、この政治的・軍事的な駆け引きの中でどれほど届くのだろうか。

アメリカがイスラエルへの軍事支援を強化している背景には、バイデン大統領の発言が重要な手がかりとなっている。

イスラエル国内で起きているハマスの攻撃により、何百人もの市民が命を失った。

その犠牲者の中には、アメリカ市民も少なくとも11人いたとされている。

さらに、ハマスの拘束下にある人々の中にもアメリカ市民がいる可能性が高まっているとの懸念が大統領から示されている。

対応として、アメリカ軍は最新鋭の原子力空母「ジェラルド・フォード」を中心とした空母打撃群を既に配置しており、さらに2隻目の空母の派遣も決定している。

「ドワイト・アイゼンハワー」空母打撃群も中東に進撃中であり、巨大な戦力が２つも派遣されることとなった。

米軍が12隻保有する空母のうち、2隻を同時に東地中海に派遣するのは、実に異例の事態である。

空母「ジェラルド・フォード」打撃群には、ミサイル巡洋艦ノルマンディーやミサイル駆逐艦トーマス・ハドナーなどが含まれている。

そして、航空戦力として、最新鋭のステルス戦闘機F35、F16戦闘機、A10攻撃機もこの地域に派遣される予定だ。

ハマスだかでなく、イエメンの反政府組織であるフーシ派からの攻撃も、アメリカにとって新たな懸念を生んでいる。

米軍のミサイル駆逐艦「カーニー」は、これらのミサイル3発と複数の無人機を紅海上で撃墜した。

これらのミサイルが実際にイスラエルを目指していたのかどうかは、米国が現在も調査を続けている段階である。

シリアとイラクにおいても、米軍基地が攻撃の対象となっており、ドローン攻撃により、何人かが軽傷を負っている。

現在、イスラエルとハマスとの間の対立が拡大する中、この紛争が更に大きな戦争に発展し、米国が巻き込まれる可能性が高まっている。

この様な状況を踏まえ、アメリカは戦闘機を含む更なる軍事力を中東地域に送り込む計画を持っているとのことだ。

これらの動きは、中東の情勢がさらに不安定となる兆しを見せており、国際的な緊張が高まる一因となっている。

各国がどのような対応をとるのか、今後の動向が注目される。

世界最強の空母である「ジェラルド・R・フォード」であるが、艦載機に弱点も指摘されている。

最新鋭空母ジェラルド・R・フォードの能力

東地中海へと移動する空母打撃群には、ミサイル駆逐艦4隻が含まれる。

この打撃群は最近、イオニア海でイタリア軍と合同演習を実施していたと米メディアは報じている。

この戦力増強の背景には、イスラエルを巡る混沌とした状況を利用し、イランやロシアが地域の緊張を高める可能性への懸念がある。

そのため、米海軍はこのような動きに対応するために、最新鋭の航空母艦「ジェラルド・R・フォード」を中心とする強力な打撃群を中東に配置することを決定したのだ。

「ジェラルド・R・フォード」は、１３０億ドルという巨額の予算を投じて建造され、2017年に就役。

世界最大最強の空母としての地位を確立している。

この巨大な艦上には、戦闘機、早期警戒機、ヘリコプターを含む約70機の航空機が搭載されている。

最も注目すべき技術の一つは、電磁式のカタパルトだ。

この新しいシステムは、従来の蒸気カタパルトとは異なり、電力を使用して航空機を射出する。

この技術の採用により、射出時の機体のストレスが低減され、また、次の射出までの待ち時間も大幅に短縮できるというメリットがある。

そして、この「ジェラルド・R・フォード」の成功を受けて、米海軍は同じフォード級の空母として、「ケネディ」と「エンタープライズ」の建造を進めているのである。

「ジェラルド・R・フォード」級の空母は、先進的なデュアルバンドレーダーシステムを搭載している。

このレーダーシステムにより、広範囲かつ高精度な探知能力を持つ。

この技術は、航空機やミサイルなどの脅威を早期に探知し、迅速な反応を可能にするものだ。

だが、米国空母の戦略には疑問点も浮上している。

その中でも突出しているのが、攻撃機の航続距離の問題だ。

多くの艦載機はF/A-18ホーネットなどの比較的航続距離が短い機種で構成されているため、広範囲の作戦行動に制約が出る可能性がある。

東地中海は、イスラエルやシリア、レバノンなどの沿岸国が存在する地域を指し、このエリアは地政学的にも非常に重要な位置にある。

空母打撃群は空母を中心として構成され、さらにイージス巡洋艦やミサイル駆逐艦、補給艦などが付属する。

時と場合により、原子力潜水艦も加わることがある。

この艦艇が打撃群とよばれ、多様な脅威への対応を可能としている。

5000発のミサイル！ハマスが北朝鮮のロケット兵器を使用

一方、イスラエル軍はガザ地区に圧力を強めている。

ハマスが支配するこの地域に地上部隊を集結させ、空爆や砲撃を行っている。

事態は切迫しており、ガザの住民は避難の困難さや、水や燃料の不足といった人道的問題に直面している。

ガザでの緊張が高まる中、イスラエルは過去最大となる予備役兵36万人を動員し、戦闘の様相がさらに激しさを増している。

イスラエルの防空能力がレバノンのロケット攻撃にどこまで耐えるかが問題だ。

ハマス側の情報としては、5000発のミサイルが発射されたと伝えられている。

この大量の武器をハマスはどうやって手にいれたのだろうか？

ハマス戦闘員の撮影された映像をもとに、北朝鮮製のロケット推進榴弾発射機「F-7」を所持しているとの指摘がある。

イスラム組織ハマスによるイスラエルへの突如の攻撃後、北朝鮮製の武器を手にしていることが明らかになった。

過去には、北朝鮮の通常兵器がイランを介してハマスへと供給されるという「三角取引」の存在も指摘されている。

特に、ハマスがまだパレスチナのゲリラ組織であったころから、そのつながりは深いものだった。

しかし、今日の状況を考慮すると、北朝鮮からハマスへの直接の武器供給は難易度が高いとされる。

その一方で、ブラックマーケットでは北朝鮮、イラン、中国、ロシア製の武器のような旧式の兵器が流通していることが知られている。

こういったルートを通じて、ハマスが武器を入手しているのかもしれない。

いずれにせよ5000発という驚異的な数のミサイルが撃たれたことは間違いない。

その結果、迎撃率９６％を誇る“世界最強”と言われる防空システム「アイアン・ドーム」さえも、突破されてしまったのだ。

以前までは、数百発程度のミサイル攻撃にはしっかりと対応してきたアイアン・ドームだったが、今回のような飽和攻撃には十分に対処できなかったのだ。

ある意味、人々の安全を守るための最後の砦が、その圧倒的な数によって、突破された瞬間である。

アメリカは、イスラエルの「アイアンドーム」防空システムの支援として、迎撃ミサイルの追加供与を検討している。

アメリカの空母打撃群には、高度なミサイル防衛能力を持つイージス艦も含まれており、ハマスのミサイルに対する防衛体制も期待されている。

次の動画では、アメリカ海軍の空母甲板5つの仕組みとあらゆる事態に備えた装備について解説しよう。