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艦艇にはミサイルを始め、魚雷や大砲など多種類の武器が装備されている。
敵を攻撃するための兵器はもちろんのこと、自らを防御するための兵器も必要となる。
通常、ミサイルが飛来してきた場合は、まずは一番射程の長いミサイルで迎撃を試みる。
しかし、現在のミサイルは速度も速く、複雑な動きをするため迎撃に失敗することもある。
ミサイルでの迎撃に失敗した場合、さらに主砲で攻撃、そして最後の砦となるのが「近接防御システム」である。
近接防御システムは射程は短いものの、装備されていない艦艇はないほど重要な武器である。
今回は、ミサイルに対処するための近接防御システムについて、その種類や性能を解説していこう。
CIWSやゴールキーパーの射撃映像もあるので、動画でもお楽しみください♪
この記事に書かれている内容は
アメリカ ファランクス Phalanx
アメリカ合衆国によって開発された通称CIWS(シウス)。
CIWSは「Close In Weapon System」の頭文字をとったもので、至近距離で敵ミサイルを迎撃する艦載兵器の総称のことである。
もっとも有名な近接防御システムであり、アメリカ海軍を始め、海上自衛隊のほとんどの艦艇が装備している。
ファランクスはM61バルカン20㎜ガトリング砲と小型追尾レーダーを1基の砲台に集約されたシステムである。
近接するミサイルなどを探知し、全自動で追撃できるシステムであり、防御のための最後の砦でもある。
映画「Battleship」でも、宇宙人による攻撃から防御するために一番活躍している武器がファランクスだ。
ファランクスはその他戦闘システムから独立して目標の探知、追尾、攻撃を行い、ミサイル迎撃をこの一基で自動で完結する能力を持つ。
センサーに関しては、システム上部のドーム内に捜索レーダー、下部には、追尾レーダーのアンテナが設置されている。
上下左右に素早く砲身が向くため、どの方向からミサイルが来ても対処できる。
全方向をカバーできるように通常は艦艇の前部と後部に1基ずつ装備されている。
射程は約1500mと短いが、6本のバルカン砲から毎分3000~4500発の発射が可能で、弾幕を張ってミサイルを迎撃する仕組みだ。
日本の海上自衛隊でも、ほぼ全ての護衛艦に装備されている。
ファランクスは過去に事故が発生しており、1996年、護衛艦ゆうぎりが合同訓練「RIMPAC」に参加中、ハワイ沖でUS NAVYのA-6攻撃機をファランクスにより誤射し、撃墜するという悲劇が起こった。
幸い、パイロットは緊急脱出し「ゆうぎり」に救助されたものの、皮肉にもこの事件でファランクスの射撃の正確性が証明された。
オランダ ゴールキーパー Goalkeeper
ゴールキーパーとはオランダの近接防御システムの名称で、その由来はサッカーの守護神のゴールキーパーからきている。
ゴールキーパーは、1975年に開発され、1980年には配備されており、ファランクスと同等の長い歴史をもっている。
7本のの30mmガトリング砲からは、毎分約4200発が発射可能だ。
捜索レーダー、追尾レーダーが一体となり、同時に18の目標を追跡し、4目標に攻撃可能となっている。
射程はファランクスより、かなり長く約20㎞となっており目標が1500mまで近接するとシステムが自動で発砲を開始する。
射程は長いものの、ファランクスと比べると武器全体のサイズが大きいため、設置にはスペースが必要であり、艦の重心なども考慮し設置する必要がある。
装備艦艇はヨーロッパの海軍を始め、韓国海軍の強襲揚陸艦やイージス艦にも装備されている。
ロシア カシュタン KASHTAN
見た目は、一番強そうな近接防御システムがロシアのカシュタンである。
まるで映画やアニメに出てきそうなデザインのカシュタンは1988年にソ連で開発されたCIWSであり、カシュタンとは輸出名称のことである。
カシュタンの一番の特徴はバルカン砲と対空ミサイルを1基のマウントに収めた複合近接防御システムである。
光学センサーとレーダーで目標を自動追尾し、最大6目標を同時に対処できる。
6本の30mmバルカン砲を左右に2本装備しており、なんと毎分10000発という射撃を行うことができる。
射程は1500m~8000mとなっており、敵味方識別装置とのデータ照合を行いミサイルを迎撃する。
さらに4連装対空ミサイルを2基装備していることから、近接防御だけでなく、小型ボートや海岸への攻撃もできる兵器である。
中国 730型
中国版CIWSである730型とは、中国が開発した近接防御システムである。
開発の計画は1990年代に始まり、2002年には駆逐艦「広州」に搭載された。
外観はオランダが開発したゴールキーパーと似ているが、これは開発に当たった企業が、同じGE社製という事もあり酷似していると言える。
レーダーは最大8キロの探知能力を持ち、西側のCIWSと同様にレーダーと火器管制装備は別に配備され、ロシアよりその反応速度は速いといわれている。
6本の30mmバルカン砲からは毎分4200~5800発の射撃が可能であり、その射程は約3㎞となっている。
中国の主力艦艇にはほとんど装備されており、空母「遼寧」(りょうねい)や現在建造中の強襲揚陸艦にも装備される。
アメリカ Sea RAM(シーラム)
SeaRAMとは、ファランクスの設計を踏襲し開発された近接防御システムである。
そのため、上部のドーム部分は見た目がファランクスとそっくりである。
ファランクスでは複数の目標を同時に対処できないという問題点があり、そこで、RAMシステムを組み合わせる事で対艦ミサイル攻撃から自艦を防御するシステムとなったのがSeaRAMだ。
SeaRAMに関しては、揚陸艦や、空母などの大型艦にも搭載されており、海上自衛隊のいずも型にも11連装のSeaRAMが2基装備されている。
アメリカ海軍では、沿海域戦闘艦のフリーダム級や、インディペンデンス級などにも装備されいる。
敵ミサイルの電波や熱源を探知して、誘導される仕組みとなっているため、弾幕を張るファランクスのように大量に発射する必要はなくなった。
ファランクスのように1㎞程度の射程しかない場合、ミサイルを迎撃できても、その破片が船体や装備に当たり被害を受ける可能性がある。
しかし、SeaRAMは、射程は最大15㎞となっており、ファランクスよりもかなり射程が伸びているため、遠距離での迎撃が可能となった。
近接防御システム まとめ
ゴールキーパーやカシュタン、中国の730型は人間による操作支援が必要であるが、ファランクスとSeaRAMは自己完結型システムであり、他の国の近接防御システムよりも優れている。
現在では対艦攻撃においてミサイルが主流であり、その速度と破壊力は年々脅威を増している。
最近の中国の超音速対艦ミサイルの性能向上に対処するため、米国などの海軍艦艇の対空防御システムの性能向上が一層求められるようになってきた。
防空網を抜けてきた対艦ミサイルを迎撃する最後の砦となるのが近接防御システムである。
大量の弾を集中して撃ち込むのがバルカン砲の利点であり、1分間で数千発というスペックではあるが、実際は装てんできる弾数は1000発前後となっている。
また、バルカン砲の限界発射弾数は6000発という説もあり、さらに発射弾数を増やすならばロシアのように2連装にする必要がある。
今後は、SeaRAMのように弾数ではなく1発の命中精度を高くして少ない攻撃で迎撃するシステムも必要になってくるだろう。
近年のアメリカ海軍や海上自衛隊もSeaRAMを装備していることから、従来シースパローミサイルが対処していた迎撃をSeaRAMが担うこととなるだろう。
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